人間 | Surf’s-Up

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音楽の話を中心に。時にノスタルジックに

最近は何を言っても、人に真っ向から否定されることが多く


そうなると、ものを言う気力がなくなり


それがいろんな方面に渡ってくるんですね。




そんなわけで、音楽のことを書く気にならない。


音楽が嫌いになったってことではなく。




ただ、心にあるひっかかり、これは案外深刻かもしれない。




音楽の好き嫌い、またはアルバムの好き嫌い、こういうものは誰にでも生じるもの。




自分が良いと思うものを万人が良いと言うわけはない。


千差万別の感じ方があるからこそ面白い。


それはよくわかる。




ただ、たとえ嫌いであっても心血を注いだであろう作品を


簡単に否定する気にはなれない。


その「否定」に対して強烈な違和感を感じる。




それを僕が最初に感じたのが、某音楽雑誌。


あのクロスレビューは、様々な点数があってこそ面白いんだろうけど


あまりセンスの良いものとは思えなかった。




要はマイナスな見方をするってこと自体に僕がなじめないんだと思う。




とはいえ、これまで自分で否定的なレビューを書いたこともある。


そして、そのことを批判され、一時期更新をやめたこともある。




真っ当に批判、否定するのはかなり難しいことだと、僕は思っている。


実際そういう記事を目にすると、どんな作品であれ、げんなりしてしまう。










話が少しずれますが、


最近ポール・マッカートニーをよく聴いている。




ポールのソロ作品は実に興味深い。


リアルタイムではない初期作品を聴くことが多いんだけど


それはみんなが、あまたの評論家たちが言うように


ラフな作りで、「これがあのビートルズだったポールの作品なのか?」


と不満に感じるのもわかる。




それでも、そこには一人でやることの苦悩だとか


リンダとのコラボに活路を見いだそうとか、そういった


迷走があって、それが何とも人間くさい。


その「人間くささ」が僕は好きだ。




呪縛を解き、自由になったはずなのに、


どこか居心地の悪さを感じているような。




でも、人間なんてそんなもんだし、


そういうポールにやけに安心感を感じてしまう。




申し訳ないけど、あがく、もがく、年齢と戦っている姿に


心引かれてしまうのは、悪い趣味なのだろうか?


そして、それを鑑みた評価はいけないのだろうか?




そこが自分にはわからない。


昔はわかっていたような気がするけど。


わからなくなっちゃった。