Centipede HZ/Animal Collective | Surf’s-Up

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Centipede Hz/Animal Collective



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アニコレ、約3年ぶりのニュー・アルバム。


前作の聴きやすさの反動的作品になるかと思ったが、全くそんなことはなかった。


相変わらずエクスぺリメンタルでカオティック。肉食獣のようなサウンド。


それでいて、太古の音楽のようなメロディーが加わると、もう彼らの世界が完結してしまう。そこに潜り込めるか、この世界に浸ることができるか。


彼らのサウンドの肝は、創作エネルギーが蜷局を巻いているような音の情報量の洪水だと思うのだけど、以前と比べると若干収まりが良くなってきたような気がする。かつては野放図にさえ見えたサウンド・プロダクションもかなり計算されるようになったのではないだろうか。


この辺の要因は、前作から「歌を大事にしている」ことにあるんじゃないかと思う。今作も非常にヴォーカルが立った楽曲が多い。唯一無二のサウンドスケープへの欲求は貫徹しつつも、ポップ/ロックのフィールドで勝負しているのはさすがとしか言いようがない。


そうはいっても、個人的には洪水的なナンバーが好きだったりする。New Town Burnout,Monkey Riches,Mercury Manの流れが最高に好きです。


全体的にはある一定の勢いをキープした構成になっている。それゆえ、割とテンポがあってかなり聞きやすいように感じた。「メリウェザーよりは~」っていう意見が多いけど、個人的には今作も遜色ないくらいだと思っている。というか、むしろこっちの方がよく聴いているかも。


この作品を聴くときは、なるべくヘッドフォンをするようにしている。ヘッドフォンの方が音の分離を確かめやすいし、サウンドスケープの深遠さを味わうことができる。お勧めです。


★★★★☆(25/12/12)