- Celebration Rock/Japandroids
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カナダはバンクーバーから出たギターとドラムス2人組、Japandroidsのセカンド。
最近やや影を潜めつつあるガレージ・ロックだけど、これは実に気持ちいい。
何が気持ちいいのかというと、まぁとにかく徹頭徹尾走りまくっているから。どこを切ってもエモーショナルで熱い。決して門戸の広いサウンドではないが、ロックの雑味やえぐみをたっぷり味わいたい人にはたまらないと思う。もちろん僕もその一人。
全8曲で30分ちょっと。やぶれかぶれで、ひたすらアッパーなロック・チューンが続く。ざらつき、唸りまくるギターとやたらめっぽうに叩き出されるドラム、がなり続けるヴォーカル、それが全て。
ただ、かなり「勢いありき」なように見えて、不思議とそれだけではないような気がしてくる。
それはまずメロディーの良さがあるかもしれない。自分たちのサウンド・フォーマットにぴったりとはまるメロディーラインを作り出している。荒馬がはね回るかのような荒々しさもあれば、ライブでシンガロング必至のキャッチーさを持ったものもある。
サウンド面では、2ピースバンドのような音を出したくないと、彼らなりに工夫しているようだ。例えばギターは複数のアンプにつないで、音色や音量を変えているらしい。ラストのContinuous Thunderでのギターはシンセの洪水のように聞こえる。
音数を増やしたいという狙いがあるのなら、単純にサポートを入れればいいように思うのだが、その「枷」の中で、逆に彼らのクリエイティビティーが爆発しているから面白い。そして、音の一つ一つに「かっこいいロックンロールを作る可能性は、たった二人でも無限に広がっている」という彼らのロックンロールへのアティチュードも感じられるのだ。考え過ぎかな?
今年のガレージの中では最高の一枚。何度車の中で爆音でかけたことか。No Age,Cloud Nothingsが好きな人にもお勧めできます。
★★★★☆(23/12/12)