一週間ほど前の話になりますが、記憶は鮮明です。
周りは驚くほど女子率が高い。フジでもそうだった。とにかく女子が多い。でも、歌の内容は女子よりのものは皆無と言っていいだろう。女性ファンは彼の歌のどの辺に共感しているのだろう。一度聞いてみたい気もする。それでも、前の方を陣取っているのは男性ファン。ただ、総じて言えるのは、なんとなく「源ちゃんかわいい」って感じだけできている人はいないだろうって事だ。その雰囲気だけは感じた。
定刻を少しだけ過ぎて星野源登場。先ずは本人一人で「歌を歌うときは」からスタート。淡々した歌を、皆じっとして聴いている。その後、ドラムスの伊藤大地、ベースの伊賀航が加わり、軽妙な演奏をバックにぬくもりのある歌がライブハウスに広がっていった。
後半からはペダルスティールの高田漣が加わり、幾分アーシーに味付けされた楽曲が披露される。特に「変わらないまま」「予想」が素晴らしかった。星野源ワールドを再現するにふさわしい、最強のラインナップ。個人的には伊賀さんのベースが本当にいい。
星野源の歌は決して明るいわけではない。他人に見せまいとする心の暗部の描写が多いが、その中でももっとも多く扱われているのが「死」である。人はいかにして死ぬのか。でも、そこに特化することが結果的に生へのポジティヴィティへと転化される。根拠として堂々と「死」があるから彼の歌にはすごく共感できる。そしてそれを、朴訥とした音で、ユーモアを効かせて伝えてくれる。フォークでも、R&Bでもない、星野源の音としか言い様のないもの。本当に素晴らしいと思うし、日本人で良かったと思う。
って、ちょっと堅苦しいですね。以下は個人的に印象的なところの抜粋。
・ライブ途中倒れた人に「よしこ」と名付ける
・「家族なんです」を歌った後に「ヒロユキおじさんだよー」。
・トーク中に携帯電話を鳴らした、若干年配の女性に優しく注意する。「着メロはなんですか」と問いつめられて
困った女性が絞り出すように「・・・初期設定」。会場大爆笑。
・「ジンギスカンの端にあるもやし、あれみんな食べるの?」と聞く。「あれ、あぶらのかたまりだよね」
・伊賀ザイル(きっかけは伊賀さん本人の名乗り)
・田辺誠一のアドリブ、変なメール話
・震災があった日、北海道にいて、そんな中生出演してくだらない話をしなければならなかった。不謹慎かもし
れないけど、どんな状況でもくだらないことを言って笑える世の中であってほしい、というようなことを言ってい
た。
・「くせのうた」を良いところで間違い、やり直す。まさかの失念。
・アンコールの「未来」でも間違い一度やり直す。それでももう一度間違うが何とか最後まで。予定ではそこで
終わりだったようだけど、源さん一人でリクエストを募っておまけの「兄妹」。
しかし、いっぱい泣きました。よく本人は「面白いだろう」と思って歌ったら、客が泣いていたっていうけど、泣けてしょうがないんだよ。
セットリスト(たぶん合ってる)
歌を歌うときは
グー
茶碗
湯気
ばらばら
布団
ストーブ
ひらめき
くせのうた
エピソード
子供
家族なんです
営業
喧嘩
老夫婦
変わらないまま
穴を掘る
ステップ
予想
日常
くだらないの中に
アンコール
未来
兄妹