Tomboy/Panda Bear | Surf’s-Up

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 唐突ですが・・・

 いつも思うけど、Panda Bearってなかなかふざけた名前だと思う。なんか「エビ カニ」とか「サル チンパンジー」みたいな事ですよね。Pandaって、はっきり言ってBearじゃないですか。絶対強いですよ、人襲われたら死んじゃいますよ。なのに「かわいいかわいい」って、何かずるい感じが。


Panda Bear通算4作目になるソロアルバム。言わずとしれたAnimal Collectiveのメンバー。ソロ前作「Person Pitch」も高い評価(Pitchfork年間ベストアルバムで1位)を得た作品であった。


 アニコレとの差異性を考えると、まずは全体的な取っつきやすさがあると思う。もちろんアニコレにもポップ性は内包されているが、Panda Bearはサウンドスケープよりも、メロディーや歌ありきな面が見られる。朗々とした質感を持つメロディーはソロの方が明らかにクリアで親しみやすく感じられる。


 トラックの面では、サンプリングを減らし、生の楽器を多く導入しているそうだ。でも、さほど生の楽器のダイナミズムみたいなものはない。どの曲も巧みなコラージュが施されているように感じる。もちろん、それこそが大きな魅力の一つでもある。自分の場合、アニコレだとそのコラージュの質量だとかめまぐるしさに、聴き疲れてしまうことがあるのだが、今作はそれがない。


  ミックスを担当したのはソニック・ブーム。その影響なのか、どこか今作はMGMTと似た空気を感じる。アシッドがかったFreet Foxesみたいな独特の幽玄性のあるサウンドは、かなりクセになる。ラスト曲Benficaの美しさはめまいがしそうなほどだ。


 ★★★★☆(31/10/11)