Chasing After Ghosts/The Crookes | Surf’s-Up

Surf’s-Up

音楽の話を中心に。時にノスタルジックに

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 英シェフィールド出身の4人組The Crookesのファーストアルバム。音楽通の中ではEPがかなり話題となっていたらしく、あのノエル兄さんも褒めたという。僕はこのアルバムまで全く知りませんでした。


 ジャケットを見ると、渋いAORなんじゃないかと思ってしまうのだが、前に紹介したFrankie&the Heartstringsと似た雰囲気を持っている。自分たちの好きな音楽を等身大の感覚でならすという、ネオアコ・マインドが宿った音だ。


 でも、メロディーのキャッチーさを重視した、この手の音を出すバンドはたくさんいるが、The Crookesは不思議とメロディーに特化しているような印象はない。それよりも、曲の持つ「あの時代」の雰囲気を大事にしようとしているように見える。


  どこかノスタルジックで、アナログな香り。キラキラしているけど、素朴なメロディー。オープニングのGODLESS GIRLやJUST LIKE DREAMERSといった、いかにもネオアコ黄金期のサウンドもあれば、CHORUS OF FOOLSやBLOODSHOT DAYSなどで見られる朗々と気持ちよさそうなヴォーカルとシンプルなギターサウンドは、The Smithsを想起させずにはいられない。


  「まんまじゃないか!」という部分も確かにあるが、ソフトながらも芯の通ったしなやかなギターサウンドは十分に魅力的。個人的にはTHE CROOKES LAUNDRY MURDER, 1922で見せる切ないメロディーラインとイノセントな歌詞には胸が締め付けられた。80年代中盤、UKのギターロックに胸ときめいていた人には、ツボな音だと思いますが。


 ★★★★(24/10/11)