「からっぽ」の向こうに~Somewhere | Surf’s-Up

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音楽の話を中心に。時にノスタルジックに

周りには,さぞ幸せなんだろうと言われながらも,現実はひとりぼっちになってしまった人間。

帰るべき場所のない人間。待っている人もいない人間。

結局何も残っていない「からっぽの人間」。

いったいどうしたらいいんだろうか?


最近時々頭の中に浮かんでくる、昔好きだった歌に

こんな歌詞がある。


要なしの人間なんているわけないと

神様はいつも僕に言うけれど

本当のところは口をつぐんで

誰も言おうとしないけど

気球に乗って ほこりになってゆられたい


             The Boom/気球に乗って


ソフィア・コッポラの「somewhere」を観た。

ここに登場するのも「からっぽ」の映画スター。

当たり前にあると思っていた物は,実はそうじゃなくて

自分で守り育てていかなければ結局は失われる。

それは映画スターだろうが,誰だろうが同じこと。


彼は、別れた妻のためにも、娘のためにも何もしてやれなかった。

そして何もしないまま、別れを選んだ。

何もしてやれないことほど、辛いものはない。


変わることで誰かのためになれる、そんな人生も素晴らしいと思う。

「変われない」と思っていた人間が「変わること」を決意する瞬間は本当に美しいと思う。

自分も変わらなくては,と思うから、なおのこと。


このままでは「要なしの人間」になりそうだから。


今日もまた思いを綴ろう。