Colour Trip/Ringo Deathstarr | Surf’s-Up

Surf’s-Up

音楽の話を中心に。時にノスタルジックに

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 Ringo Deathstarrのデビューフルアルバム。帯には「ニューゲイザー界のデススターにしてノイズポップの申し子」と書いてあるが、なんとなく違うような気がする。普通に正統派のシューゲイザーバンドだと思う。米オースティン出身であるが、明らかに英国の香りを感じさせるノイズを放つバンドである。

2010年には完成していたという1stアルバムであるが、その後バンド側からストップがかかり作り直されることになった。しかし、大胆なシフトチェンジが行われたわけではなく、プロデューサーをつけ、しっかりとしたサウンドを作り上げて勝負したいという意図があったようだ。


 で、肝心の内容であるが、この前に出たミニアルバムでもそうだったが、マナーに則って、正統派のノイズを出していると思う。 逆にミニアルバムと違うのは、ノイズをコントロールしているところ。ギターのダイナミズムに任せるままにノイズを放出するのではなく、曲調やメロディーの質に合わせたノイズを緻密に構築しているような印象がある。その結果、アルバムタイトルにあるように、色彩豊かなシューゲイザーサウンドを展開することに成功している。


 あと、曲の完成度も向上している。こちらもバラエティー感が増し、特にポップでタイトななメロディーが増えたように思う。青春ネオアコテイストのSo Highのような軽やかさ、この辺をさらに磨いていくともっとおもしろくなりそう。


 マイブラ、ジザメリあたりが好きな人なら、確実にツボに入る音。個人的には嘆美系の曲よりもIMAGINE HEARTSやTAMBOURINE GIRLのようにグイグイと展開していくロックンロールナンバーの出来が良いと思う。ボーナストラックの3曲も普通に収録されていてもおかしくないくらいの良さがある。




 ★★★★(15/05/11)