詳しいことはよく知りませんが、米ブルックリン出身の4人組The Drums。今年の期待される新人の筆頭格である。新年のNMEでも表紙を飾るなど、注目度は日増しに高まっている。
正確に言うと今作はアルバムではないが、アルバム並みの聞き応えがあるので是非とも紹介したい。適度にローファイで、脱力系のギターポップ、きっと紹介されるときはこんな言葉が並ぶかもしれない。
ベースと口笛のイントロから、「ママ、サーフィン行きたいよー!」とあっけらかんに等身大の欲望を歌った「Let's Go Surfing 」を筆頭に、ぶっきらぼうにポップソングを放っていく。楽器の構成、メロディーの構造もシンプルで、リフレインを多用する手法を用いた曲がほとんど。
しかし、そのどれもが親しみやすさを持ちながらも強烈な毒を含んでいる。今流行しているTwitter。そんなTwitterの世界では、秒単位で何百万ものつぶやきが発信される。全く飾り気のない想い。「ロックソングになるようなドラマチックな事」以外の事が、僕らの日常には溢れ、つぶやかれている。思ったことだけで、生活や世界は成立しない。しかし、それが可能なのが、Twitterなのかなと思う。釈明も謝罪会見も必要ない。誰だって、つぶやくことは自由なのだろう。
The Drumsの音楽はそのつぶやきレベルの率直さで鳴らされているような気がする。だからこそ、こんなに心に届いてくるのかもしれない。
おすすめ度★★★★(27/01/10)