チャボのライブを終えて、結局ちゃんと寝たのは午前3時頃。そこから昼間で寝てやろうと思ったのだが、そこがテントの甘いところで6時には目が覚めた。少しでも日差しが強くなると、閉め切ったテントでは寝られない。
テントを全開放して昼1発目のビークルまで待つ。待つといっても、ゴロゴロしているだけで時間などあっという間に過ぎてしまうものだ。
そのビークルのライブであるが、今年発売されたベスト盤をなぞるように新旧王道のセットリストであった。個人的にはブッチャーズの吉村秀樹が登場した「Summer End」が嬉しかった。こういうシリアスなビークルが僕は結構好きなのである。例のコールは・・・やっぱり恥ずかしくてできませんでした。カトウタロウはこの日、エディ・ヴァン・ヘイレンモデルのギターを使用していたのだが、衣装まで同じ柄であった。そのことをヒダカトオルにつっこまれていたが、今やエディ・ヴァン・ヘイレン自体があまり認知されていないようで・・・反応は今ひとつでした。
その後は、昼食を摂ったり、またぶらぶらしながら過ごす。テントにいてもステージの音は聞こえる。そういう楽しみ方ができるライジングサンである。
次は18:30からユニコーンを見る。僕の世代に絶大なる人気を誇ったユニコーンであるが、自分自身は実はあんまり思い入れがない。というかユニコーンを聞き始めたのが「雪が降る町」という、解散間近な頃であったので、その良さがわかるようになったらすぐに解散してしまったのだ。正直言うと、それまではあんまり好きではなかった。どうも「パチパチ」「ワッツ・イン」系が苦手だったのだ。勝手にチャラっとしたイメージを持っていた。それが、「雪が降る町」というシングルを聞いて、自分のイメージが間違っていたことを知るのである。
肝心のライブの方であるが、これが素晴らしかった。奥田民生以外のメンバーも第一線のブランクを感じさせない、しっかりとグルーヴを作っていた。当然ヒット曲も多いので、「大迷惑」「すばらしい日々」はみんな歌っているし、ニューアルバムからの曲も遜色ない輝きを放っていた。何よりも、奥田民生が一番生き生きしていた。なぜかソロよりも軽やかであった。ハンドマイクで歌うことも多く、ステージを駆け回りながら歌う民生はとても素敵であった。
また少し休み、今度はMo'some Tonebender。モーサムは地味に久しぶり。最近のポップな感じは何となく違和感があったが、この日はすさまじいライブを展開した。3ピースバンドの極みとも言うべき、ギリギリのロック。阿鼻叫喚をあげるギター、鬼神のごとく打ち鳴らされるドラム、そしておもしろいベース(いや、上手いんですよ)。
スタートからアクセル全開、トップギアで飛ばしまくる。セットリストもポップなものはロッキンルーラくらいで、あとはひたすら高速にやりまくる。ベースの武井さんは途中からライトセーバー二刀流で見事な剣さばきを見せ、百々のギターと格闘していた。大いに沸いた瞬間であった。
個人的ハイライトはDUM DUM PARTY。途中No Way City、Big-Sを挟んで再度演奏された。この狂人寸前のロックンロールはちょっと説明できないほどにかっこいい。間違いなくこの日のライブの臨界点だった。
Tiger
ロッキンルーラ
?
DUM DUM PARTY
NO WAY CITY
BIG-S
DUM DUM PARTY
GO AROUND MY HEAD
LOST IN THE CITY
We are Lucky Friends
BAD SUMMER DAY BLUES
モーサム終了後、レッドスター付近にものすごい人が集まっている。Charaだ。Charaはほとんど聴いたことがないが、座って観ることにする。最初「やさしい気持ち」(これくらいは知っている)から始まるんだけど、Charaは感極まっていて歌えなかった。声も序盤はあまり出ていなくて、コンディションが良くない感じがうかがえた。後半は持ち直してきたものの、気持ちの不安定さはそのままだった。しかし、それゆえにギリギリのところで自分の歌を必死に伝えようとするCharaの姿は鬼気迫るものがあった。僕みたいにほとんど彼女の音楽を知らないものにも訴えかける「何か」があった。間違っても、痛々しい、同情を誘うようなものではない。一人の人間として、今ある状況から逃げも隠れもしない、凛とした強さを放っていた。
続く