Attic Lightsの昨年リリースされたデビューアルバム。。元々シングルが高い評価を集め、満を持してのアルバムリリースといったところだ。このバンド、ギターロックの聖地グラスゴー出身なのであるが、地の利を生かし、グラスゴーやスコットランドで活躍するミュージシャンの参加が多い。
シングルのリミックスをヴァセリンズやフラテリスが担当。このアルバムのプロデューサーはTeenage Fanclubのフランシス・マクドナルド。ブックレットにはあのダグラス・T・スチュワート(BMX Bandits)の名も。グラスゴー・コミュニティーの中から生まれた1枚といってもいいかもしれない。
1曲目のNever Get Sick Of The Seaが思いの外エモっぽくて、最初は面食らったが、その後はいわゆるグラスゴー・ギタポの特徴である、甘いメロディーにざっくりしたギター、必殺のコーラスワークが全開となっていく。また、所々にストリングを配置しているが、叙情性を高めるというよりは、壮大なスケール感を持たせるアレンジとなっている。3曲目Wendyはまさにハイライトとも言えるアンセムナンバー。Walkie Talkieのようなフラテリスばりの軽快なロックン・ロールもあって、一口にはくくれないほどバラエティーには富んでいる。「良質のギターロックを集めてみました」というようなところからも、今のグラスゴーのコンピレーション・アルバムみたいな感もある。
個人的には「Songs From Northern Britain」期のTFCを想起させるBring You Down,Nothing But Loveが好き。本家が近作そういうサウンドから遠ざかっているので、逆に新鮮に聞こえるところがある。
バンドの個性とも言える部分はまだ明確になっていない感じはするが、ソングライティングの力は確か。あとは、どういう肉付けをしていくかだろう。まとまりの良さから生じるインパクトの弱さをどう克服するか、そこが楽しみ。
おすすめ度★★★☆(01/02/09)