The Stairs,幻のセカンドアルバムが今になって急に発売された。わーい。
と、軽い感じで始めてみたが、簡単に説明するとThe Stairsは英国出身の3人組。91年にデビュー.60'sR&Bをベースに骨太のロックンロール、といえば「そんなバンドほかにもいるじゃないか」と思うかもしれないが、彼らほど60'sの「あの感じ」にこだわったバンドはいないだろう。超の字が付くほど50's,60'sオタクの彼らは、機材や録音まで当時のスタイルにこだわった。
ストイックというか、あまりの不器用だったのか彼らは1stをリリースするも、完成した2ndを世に出すことなく解散してしまう。そして、この僕もその貴重な1stを引っ越しで紛失してしまうという憂き目にあう・・・
それがなぜ今になって発売となったのかはわからないが、埋もれさせてしまうには確かにあまりにももったいなさすぎる出来だ。シンプルで土臭いロックンロールであるが、1stよりもさらにR&B色を増し、ボトムのしっかりした音作りをしている。バランスよりも、個々の出す音をなるべくいじらないようにして、ラフな質感を出している。そして、そのラフな質感こそがあの60年代の雰囲気なのだと思う。今のストーンズが好きではないストーンズファンなんかに聴いて欲しいと思う。
ちなみに中心人物のエドガー・ジョーンズは近年になって精力的にソロ活動をしている。また、ポール・ウェラーやノエル・ギャラガーなど彼の音楽の魅力を公言しているアーティストも増えてきている。The La'sがこれだけ評価されているのだから、そろそろスポットライトが当たっても良いのではないか、と思うのだが。
おすすめ度★★★★(06/12/08)