Los Campesinos!なんとたった7ヶ月のインターバルでアルバムをドロップ。元々EPを作るつもりだったのが、あれよあれよという間に10曲集まってしまったとのこと。そういうところがまた彼ららしいような気もする。
で、その内容はというと、勢いだけで終わるようなものではなく、どの曲も実に彼らの個性がよく出た素晴らしくポップなアルバムに仕上がっている。相変わらずの高打率。アルバムの流れみたいなものは、確かにない。配列もやや乱暴に見えるところもある。しかしながらアルバム自体の勢いというか1曲目の初速が最後まで落ちない。
闇雲なパワーというか、ある種の暴力性まで感じてしまうほど力が漲っている。かわいくて、パンキッシュで暴力性も十分。独特のロスキャンワールドは健在だ。
ただ、その怒濤の勢いは1stにもあったもので、そういう意味ではロスキャンはデビューした頃から全く変わらない。「勝負のセカンド」という位置づけにはなく、1stを作り上げてからも一向に枯れないパワーを放出した結果が、ここまでのものを生み出したということだろう。よって、1stが好きな人は間違いなく気に入ると思う。変化しているとすると、強いて言えば、音色はやや増えたように感じる。
このバンドの音楽を読み解くキーワードに「切迫感」があると思う。インタービューでもメンバーの口からたびたび「バンドも人生もいつ終わるかわからない」という趣旨の発言が出てくる。僕は、彼らの音楽から「今やるしかないんだ」というような切迫感を感じる。そして、この切迫感があるからこそ、あんなにドリーミーな彼らの音楽がとてもリアルに感じられるのだ。
おすすめ度★★★★(29/10/08)
Ways To Make It Throuth The Wall
We Are Beautiful, We Are Doomed