The Rhumb Line/Ra Ra Riot | Surf’s-Up

Surf’s-Up

音楽の話を中心に。時にノスタルジックに


 NYの新人バンド、Ra Ra Riotの1st。


 スタイル的には、ストリングスをキーとしたモダンロックといった感じ。ややウエットなメロディーが多く、アーケイド・ファイアと比較されるのもわかる。


 かなりいろいろなタイプの曲が書けるのがこのバンドの強み。壮大なメロディー展開を見せる「Ghost Under Rocks」、ストリングスだけでなくシンセも跳ね回るパンキッシュな「Too Too Too Fast」、柔らかな牧歌的ソング「Can You Tell」など、実に幅広い。それでも、ストリングスを基調としているせいか、アルバムを通すと割とまとまっているように感じられる。そして、どの曲も最終的にエモーショナルに発展していく感じも、なかなかいい。


 ただ、アルバム全体としてはまだまだ完成しているとは言い難い。高いポテンシャルを生かし切れていないようにも思える。それは、これだけエモーショナルなメロディー展開でありながら、もう一つ聴き手を揺さぶるほどの力が感じられないのだ。こういうものをやりたい、という強い方向性みたいなものを作品でもっと主張した方が、ガツンとくるものになったのではないかと思う。個人的には、ストリングスを武器にしてもっともっと過剰なくらいエモーショナルな面を出してほしいと思う。


 でも、あえて過剰にならないところで終わるというのもクールなのかな。とにかく、これからが楽しみなバンドです。


おすすめ度★★★☆(25/10/08)


Ghost Under Rocks

Dying Is Fine

Can You Tell