スタイル的には、ストリングスをキーとしたモダンロックといった感じ。ややウエットなメロディーが多く、アーケイド・ファイアと比較されるのもわかる。
かなりいろいろなタイプの曲が書けるのがこのバンドの強み。壮大なメロディー展開を見せる「Ghost Under Rocks」、ストリングスだけでなくシンセも跳ね回るパンキッシュな「Too Too Too Fast」、柔らかな牧歌的ソング「Can You Tell」など、実に幅広い。それでも、ストリングスを基調としているせいか、アルバムを通すと割とまとまっているように感じられる。そして、どの曲も最終的にエモーショナルに発展していく感じも、なかなかいい。
ただ、アルバム全体としてはまだまだ完成しているとは言い難い。高いポテンシャルを生かし切れていないようにも思える。それは、これだけエモーショナルなメロディー展開でありながら、もう一つ聴き手を揺さぶるほどの力が感じられないのだ。こういうものをやりたい、という強い方向性みたいなものを作品でもっと主張した方が、ガツンとくるものになったのではないかと思う。個人的には、ストリングスを武器にしてもっともっと過剰なくらいエモーショナルな面を出してほしいと思う。
でも、あえて過剰にならないところで終わるというのもクールなのかな。とにかく、これからが楽しみなバンドです。
おすすめ度★★★☆(25/10/08)
Ghost Under Rocks
Dying Is Fine
Can You Tell