More Money Less Grief/The Metros | Surf’s-Up

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音楽の話を中心に。時にノスタルジックに


 ロンドンの新人ロックンロールバンド、The Metrosのファースト。パンクやスカなどミクスチャーなテイストを持ったバンドである。

 正直言うと、この手のバンドってたくさんいるが今ほとんどスルーしている。なんというか、こういうバンドの魅力ってどんな与太者でも、ひとたび楽器を手にしたらとてつもない光を放つというか、「ロックンロールしているときが幸せ」っていう強烈な表現衝動が感じられないと、魅力を感じないのだ。


でも、今そういうロックンロール・バンドって実に少ないように感じる。それなのに、The Metrosは一度聴いただけですごく気に入ってしまった。ジャケットはダサイが、音は実にかっこいい。いや、実際はかっこいいと言うより、スタイルは全然オールド・ウェイヴなのにやけに新しく聞こえるのだ。

 実に新鮮に響く理由は、まずそのポップセンスにあると思う。その曲その曲で、一番耳に付くのがギターのリフ。いわゆる王道的なフレーズが多いが、その絡み方が絶妙なのだ。決して完璧な演奏という感じではないが、プレイの癖や、歌い回しまでもが強烈に印象に残る。説明するのが難しいが、自分の琴線を早弾きされている感じ。かなり強引に。

 雑多な音楽を上手く自分のロックンロールとして昇華できるバンドとして、今後も楽しみだ。そしてこういうセンスを持ったバンドにThe Ordinary Boysというのがいたなぁと。彼らは今何をしているのかな?

おすすめ度★★★★(09/27/08)


Last of the Lookers