シアトルで結成されたBand Of Horsesの2枚目。サブ・ポップからのリリースであるが、ゴリゴリのグランジではない。いわゆるオルタナ・カントリーか、フレミング・リップスやマイ・モーニング・ジャケットのようなポップセンスを持ったサイケ・バンドの一つとして数えられているとは思うが、その中でも清冽で叙情的なメロディーラインが光るバンドだと思う。
そして、その叙情性もいろいろな出し方ができて、ある曲ではエモっぽかったり、また耽美的なメロディーであったり、ブライアン・ウィルソンかと思うくらいポップだったり、いろいろな変化球を混ぜてくる。
このように雑多な音楽性を持っていながら、マイ・モーニング・ジャケットの新作ほど多岐にはわたっていないし、とっちらかった印象も受けない。それは、どのナンバーにもどこか土着的なフィーリングがあるからだ。アメリカという地がもたらすものなのだろうか、いわゆるアメリカン・ロックというものに共通する、乾いてるけど滑らかな感触。初期のニール・ヤングやCSN&Yなどのレコードから伝わってくる空気。そういうものがある分、落ち着いて聴けるのがこのバンドの強みなのかもしれない。
非常に良くまとまっていて、心地よく聴けるアルバム。でも、メンバーはまだ20代らしく、それにしては老成してるというか、「まだ若いんだから」と声もかけたくなってしまう。
サマソニでしっかり見てきます。
おすすめ度★★★★(08/05/08)
Is There A Ghorst