サザンオールスターズが、30周年を迎えて来年から無期限の活動休止に入るという。
活動休止と言っても、各マスコミは半分「解散」ととらえているようなところがあるようだ。
たとえばイエモンは活動休止を宣言後、そのまま解散している。
ストーンズは活動休止を繰り返しては、そのたびに見事な復活劇を演じている。
ポリスのように20年以上休んで復活するようなバンドはまれではあるが。
サザンの場合、これまでも「活動休止」に近い状態になったことはあった。
KUWATA BANDの時もそうだろうし、ソロ活動時だって、早い話が「活動休止」と言えるだろう。
ただ、今回改めて彼らの口から発せられると、何とも言えない重みがある。
メンバーも50代となり、彼らの活躍する姿があとどれくらい見られるのか。
自分の人生の傍らにずっと居たバンドだけに、やはり強烈な寂しさがある。
しかし、たとえば同じ曲を30年もの間、同じテンションで、同じ愛着で歌うことは、実に難しいことだと思う。
もちろんそうすることがアーティストの宿命というわけではない。新しいことに飽くなき挑戦を続ける姿勢こそが、正しきアティテュードだとしても、ある種の聞き手の期待に応えつつというバランス感覚がないと、第一線ではなかなか活躍できないと思う。
サザンは、絶妙なバランス感覚を持ったバンドだと思う。ある程度「みんなのサザン」を提供しつつ、趣味性の強いものにもしっかりトライする。「みんなのサザン」を量産せず、表現欲求の充足を適度にはかることがここまで歩みを続けることができた大きな要因だと思う。
しかし、それでも限界はあるだろう。あのシャイでなかなか自分を絶対化しない桑田佳祐がはっきりと「モチベーションが上がらない」という以上、リスナーにとって最良の決断であったと思う。
稀代のポップモンスター、桑田佳祐もやっぱり「人」だったんだな。