Scouting For Girls | Surf’s-Up

Surf’s-Up

音楽の話を中心に。時にノスタルジックに



 Scouting For Girlsのファースト。英国ではかなり売れているらしい。


 ピアノを基調とした作りのポップスにソウルフルなヴォーカルが絡む。このヴォーカル、とにかく声が渋い。こういう声で歌えるのはすごくうらやましいな。メロディーの甘酸っぱさもあって、キャッチーな魅力にあふれているその辺のセンスは、The Feelingあたりに通じるところがあると思う。変にフェイクを入れるのではなく、サビの必殺度で勝負するタイプだ。


 「彼女はかわいい」と臆面もなく連呼したり、「君のジェームスボンドになりたい」と直球な歌詞は好き嫌いがあるかもしれない。が、そういう直球な表現をも厭わない、そういう切実さが逆にポップソングとして機能させているように思う。


 そう、本来ポップソングというのは自分たちが表現できないような感情を、音や言葉で見事に表現するものであったはず。ところが、これだけ伝達手段が発達した今では、ポップソングに対してそこまでの機能を求めなくなってきたように思う。そういった中で彼らの紡ぎ出すポップは久しぶりに音楽の「力」を感じさせるようなものであると思う。「これだ!」という個性がないところに、少々物足りなさを感じる人もいるだろうが、楽曲の平均値の高さは見事である。


おすすめ度★★★☆(5/7/08)


It's Not About You