佐野元春 & HKB TOUR 2008「SWEET SOUL, BLUE BEAT」
2/1 札幌市教育文化会館
「ハートランドからの手紙」には「パーティーを開こう」と書いてあったが・・・
スクリーンに映像が映される。1980と書いたフィルムをセット。
映像の中で、元春と思われる人がオルガンを弾き始める。
そして、シンクロするようにステージの幕が開ける。そこには映像と同じ姿の元春本人が。
1曲目は「グッドタイムス&バッドタイムス」
一瞬分からなかったが、1st「Back To The Street」からの1曲だ。
優しげに歌う元春。
「アイム・イン・ブルー」「マンハッタンブリッジにたたずんで」(懐かしい!)「シュガータイム」までは、オルガンを弾きながら歌う元春。ここまでは、まだ抑え気味。しかし次の「ヤングブラッズ」で一気に弾ける。
「冷たい夜にさよなら」
冷たい夜ってなんだろう? 中一だった僕はよく考えたものだ。
今回はなじみのバンドであるHobo King Bandとのライブということで、ここから彼らと一緒に作った「The Burn」から3曲。アメリカでザ・バンドのメンバーらと一緒にレコーディングされたアルバムで、どっしりとしたアメリカンロックなサウンド。当時はかなり渋い感じがして、その前のアルバム「フルーツ」が掛け値無しの傑作だったこともあり、少々物足りなさを覚えた。しかし、ライブで演奏されると、このバンドの良さと言うか、バンドのグルーヴが半端ではない。呼吸をするように自然で、掛け合いが実に見事。この日のハイライトの一つであったように思う。
「ワイルド・オン・ザ・ストリート」で前半終了。休憩へ。
後半は「Coyote」から3曲。大名曲「コヨーテ、海へ」が演奏されなかったのは残念だったが、わりと象徴的な3曲がチョイスされた。まさに今の等身大の元春がどの曲にも描き出されている。
そして、前作「The Sun」から「恋しい我が家」「観覧車の夜」これまた、Hobo King Bandの真骨頂とも言えるべきフリーキーでジャムなサウンド。バンドのテクニックがすごいことが伺える。
「歌えたら歌ってください」と言って「君の魂 大事な魂」。会場内は大合唱。
そして、ここからは時計を80年代に戻して
「ワイルドハーツ」、元春が車の音を演出。これが可愛かった(笑)
そしてみんな更に盛り上がる。
「ロックンロール・ナイト」
元春好きな人には説明不要の名曲。自分が小学生の時卒業式の帰りに、友達と歌いながら帰ったことを今でもこの曲を聴くと思い出す。涙がこぼれそうになった。
「約束の橋」「サムデイ」「アンジェリーナ」と怒濤の名曲連発で、いったん終了。
もちろんこれだけで満足するわけがない。
アンコールは「ハッピーマン」「彼女はデリケート」1曲終わるたびに、実に満足そうな元春。その姿を見るたびに、不思議と自分も満足しそうになる。
2回目のアンコールで、ついに「悲しきレイディオ」。これを聞かなきゃ、絶対帰れない。
お約束の「ムード盛り上がればぁ~」のところでは、最初満足できずに(演出だと思いますが・・・)いったん元春が帰ってしまう。会場からどっと笑い。こういうノリも今の元春には自然なんだろうなぁ。
最後にメンバー紹介。古田氏を素で紹介し忘れて、元春狼狽していました。
終演後、時計を見たら10時過ぎ。3時間近くのライブなのに、ちっとも3時間経った気がしない。もっともっと観たい。桑田佳祐の時もそうだったけど、そんな風に思わせる50代ってすごいな。自分の周りにそんな50代っていますか?
自分にとって元春の音楽は「古くからの友人」みたいなもの。今の姿も知っているけど、夢見ていた幼い頃の自分も知ってて、思い悩んでいた多感な頃も知っていて。自分が年をとっていく中で、ちょっとしたヒントをくれるような存在で。
そんな風に、もう25年経ったんだなぁ。
最高に楽しいパーティー!
文句の付けようのない、圧倒的なかっこよさでした。