子供の遊び心に教育する | 心理カウンセラーの魔法の子育て

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心理カウンセラーから見た子育てのポイントと、ただの日記。NLPやコーチング、潜在意識など、最新の心理学理論を子育てに活用しましょう。

みなさん、こんにちは。

前回の記事はとても大きな反響を頂き、心理カウンセラーとして大先輩である澤谷鑛先生のブログにも掲載頂きました。

>>澤谷先生のブログはこちら

ご縁を頂きありがとうございます。

さて、今日は先日我が家に起こったちょっとした奇跡から、子供の『モード』と教育についてのお話しをしたいと思います。


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先日家に帰ると、玄関に子供のクツが元気よく散乱していました。

またやっとるな…。

と思いつつ、家族のいるリビングに行って「ただいまー」「おかえりー」と挨拶を済ませた後、こう言いました。

「さあ、今、最もクツを散らかしてる人を発表します!!」

「え!?(゜o゜;」と子供達。

「クツを揃えずに思いっきり散らかしてる人がいます。その人を今から発表します。ダララララララララララララ…」

発表の音楽とともに(笑)2人の娘を交互に見ながら、怖い顔して追いかけてやると、

「ぎゃー(゚д゚)マズー。ひなかもしれへん。ひなかもしれへん。」そう言って逃げまわる。

「いや(゚д゚)マズー。のんやわ。絶対のんやわ。」とお姉ちゃんも嬉しそうに逃げまわる。

さんざん引っ張って、追い回した結果、発表しました。


ダララララララララララ……、ダン! 

発表します。最も散らかしていたのは…。

……。

ひなでした!!!

ぎゃーーー!!


そして逃げまわるひなを捕まえて、身体を持ち上げて、こちょこちょとくすぐって、おしりペンペン叩いてお仕置きです。

ぎゃはははははははは~(≧∇≦)やめて~。やめて~と、ひな。

そして、

「はい。ひな。玄関行って。みんなのクツ揃えておいで。」

「え? みんなの分も?」

「そうや。一番散らかしてる人がみんなの分も揃えるんや。」

「はーい…(´・ω・`)」

そう言って、娘は玄関にクツを揃えに行きました。

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とまあ、先日そんなやり取りがあった訳ですが。

それ以降、一週間以上経っていますが、今でも家に帰るとクツが綺麗に揃っているのです。

なんという奇跡でしょうか。

普段は注意しても翌々日にはいつも通りに戻っていたのですが、今回は効果がとても長持ちしているのです。

毎日毎日同じことを言い続けなければいけなかったのに、彼女たちは、あの一回の出来事で改心したのでしょうか。

これは一体何が起こっているのでしょうか…?


この出来事から、心理療法家として子供の心に起こっていることを説明すると、なかなか面白いメカニズムに行き着きます。

毎日注意してもなかなか言うことをきかなかった子が、あの1回の出来事で変わった。

その理由は、


娘の中の「遊び心のある子」に伝わったからです。


今まで「クツを揃えなさい!」と言っていた時には、娘の中の「真面目な子」に伝わっていたのです。


そして、家に帰って来て玄関でクツを脱ぐ瞬間は

「ただいまー(^O^)/ あー楽しかったー!」というような「遊び心のある子」のモードなので、

真面目な子モードで言われた「クツを揃えなさい」という教えには、なかなか脳の中でアクセスできていなかったのです。


それが、前回は遊びの中で注意したことで、遊び心のある子の心に「クツを揃えなさい」が入ったのです。

だから、帰ってきて「ただいまー(^O^)/」という遊び心満載のモードのままでも「あっ、そうだ!クツ揃えないと!」と、「教え」にアクセスできているのですね。


人間の脳の神経系は、感情のボルテージの高低やその時に出てきているキャラクターやモードによって、アクセスできる場所が変わるような仕組みになっています。


大人である私達も経験がありますよね。

愉快で安心しているモードの時は軽妙な冗談が次々に口から出て来るのに、少しでも緊張すると全く出てこなくなったり。

会社で真面目モードの時には家に帰ったらあれをしてこれをして…と考えていたのに、家に帰ってリラックスモードに変わったら、何をすべきだったかすら思い出せなかったり(笑)

それらもモードによってアクセス出来る場所が変わる、脳のメカニズムによって起こっています。

そして脳のこの仕組みが親子の誤解を作ります。


真剣に教えようと思って、厳しくシリアスな状況で真っ直ぐに子供と向き合ってメッセージを伝えたのに、

翌日になったら子供はそんなこと全部忘れて遊んでた…、というような落胆を、親である私達は頻繁に経験していますね。


でも、それはもしかすると、あんなに真剣に伝えたのに伝わらなかった…、のではなく。

あんなに真剣に伝えたから、真剣モードの子供じゃない時には引き出せない教えになってしまっていた…、という方が正解なのかもしれません。

いつも覚えておいて欲しい大切なメッセージこそ、いつもあの子達がそうであるような愉快な遊び心の中で伝える。

そのような関わりは、1つの方法として大きな可能性を秘めているかもしれませんね。