S次のさるさる日記(二十周年) | スポーの“ここがヘンだよ闘牛士!”
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今年の総括をいたしましょう。

冬――。
最高に運勢がいいといわれる一年がはじまった。まずは僕の本籍地として設定されている、地元の昔なじみの神社でフダなどを大量購入。
フダの力をバックに、ついにハン小説を仕上げ、ER賞へ投下した。
さて、この時期、いろんなやつと会う。どれもこれもパッとしないか、パッとしても、条件に適わず。
そして、あいかわらず、過去の産物の焼き直し……。まァ、いいんだけども、これもこれで、先方全般のお望みではないってこった。いまだからいえるが、時間の無駄かもね。

春――。
ハン脱稿の余韻にひたるまいとする鼓舞が逆効果だったのか、どんなモンを書けばいいかわからないという体たらく。まごつき、停滞していることをいいわけに、数年ぶりにTBTに足を運ぶ。

一時、休会となっていたIセンセ宅での勉強会が復活したので、申し訳程度のとっかかりの小文のみを持っていく。いろいろなパターンを提示した中で、一番感触のよかったのは職業モノだった。初の女主人公に挑戦することに。

これが貴賎のタネである。
しかし、短編か長編かもさだまっていない貴賎になかなか本腰が入らず、まーた過ぎ去りし日のお荷物をあらためて、もう一度担ぎはじめた。さらにはサイトにまで手を出し、軽く依存症に。
いや……だから、無駄なんですって、そういった行為は。一回落ちたくらいなら、気持ちはわかるよ。なんべんか出してダメなもんは、見込みないんですよ。
博奕と推理にこだわりすぎて、貴賎に疑問を抱いていた。しかし、K田サンもいっていたが、好きな物事ってのは変動するものだ。こだわる必要はない。
人生は短い、ということを肝に銘じる。そんなことをいうのも、持病の狭心症がちょくちょく早いペースで再発していたからだ。
飼い猫にも跛行の症状が見られる。

夏――。
S書の地元賞向けに掌編を二つ書いてみる。まァ、動機がよこしまだったが、短くてもやっと新作を書けたのは事実。余談だが、S書は知らないところで、新たな人生を歩みはじめていた。
貴賎に戻る。こいつを長編推理にできれば、頭の中で考えていたことがすべて解決すると気づく。女主人公というだけでなく、視点交互のW主演という試みだ。何度か逃げの思考に入りかけたが、おざなりの話は、やっぱり、つまらん。
娯楽として、スジからしっかりと考え直す。じつはセンセも、ちょっとアテにできなくなってきていたので、自分が楽しめているかどうかが唯一の判断基準だった。
パソコンを買い替え、スジと格闘していたころ、今年亡くなったU教授を偲ぶ会がセンセ宅にて開かれた。
これがセンセと会う最後の日となった。
後日、センセが勉強会をいよいよやめると宣言したのだ。お疲れさまでした、ありがとうございました、というようなことを手紙で伝える。センセはネットストーカーに付きまとわれ、強迫観念から電話にも出られなくなってしまっていたのだ。
しかし、いつか勉強会がなくなるときは来るんだろうな、とは漠然と思っていたけど、ホントに終わっちまうとはな……。いままでセンセには相当頼ってきたので不安になると思ったが、むしろ自由に書けるかもしれん、と妙に前向きな自分がいて意外だった。
かといって、独りよがりにならないためにも、誰かに見てもらう場は絶対に必要である。K田サンと勉強会を存続することに。
一方で、猫は関節症に加えて、外耳炎、皮膚炎の症状もあらわれる。不調の時期だった。
人生初の甲子園観戦をしたくらいの時期、僕自身にも頬になんか気になる痕ができたが、いまとなれば、それはどうでもよかった。最善策は、自然に任せることである。

秋――。
貴賎をひたすら書き進める一方、大学で本式のU教授を偲ぶ会が催される。ひさびさに大学に行き、ゼミ時代のなつかしい面々と顔を合わせた。なかなか、よい時間だった。H君やポンとは、今後も交流が生まれそうな雰囲気である。
S加なる新規の人物とも、なんべんか顔を突き合わせる――が、やっぱり気持ちが折れる。西村寿行の『白骨樹林』とともにお別れ。
同時期に、悲しいお知らせが入る。十年前に発売してから、いまに至るまで、ずーっと愛飲していたピースのアロマクラウンが、年内で販売終了だと……。絶望である。とりあえず買い占め運動はおこなったが、なくなったら、一体何を代わりにしていきゃいいんだ。
猫の尻尾の付け根に、しこりを見つけ、ヒヤッとする。病院に連れていくが、良性の脂肪腫だろうということで様子見。どのみち、この歳では手術も少しはばかられると。まァ、何はともあれ、よかった。すっかり綺麗になった立派な耳も褒められる。

冬――。
あんまり、いままでこういうことはなかったのだが、K田サンと滝を見に行く。貴賎は年内に仕上げるので見てほしい、と宣戦布告し、背水の陣を敷いた。
会社の人間と焼き肉に行ったのも同じころだ。こういうことも、僕はいままでしてこなかったが、行ってみて、帰ってくると、やっぱりあれは必要なかったなと思う。空虚である。たぶん、なんにも進んでいないからだ。
今年締めくくりのTBTをこなし、予告どおり、貴賎を完成させる。四百六十枚。まァ、もうちょっと早くに上げたかったが……。
評価はまだ、不明である。どうなんやろ。
さて、こうして、最高に運勢がいいといわれる一年が終わりを迎えた。
今年の点数は五十八点。

みなさん、占いなんてアテにしちゃいけません。よいお年を!

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