2008年。 | 意志にふれて生きる

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椎名規夫オフィシャルブログ

2008年。
子年。
新年が明けました。
きっと、今年もそれぞれに、様々なドラマがある事でしょう。

どんなドラマが待っているのか?本当に楽しみな一年ですね。



1年前の2007年1月。
新しい年の明確な目標設定をして、
暖かい家族と一緒に私の一年が始まりました。


私どもの会社にはいくつかの事業部があるのですが、
それぞれの事業部で目標を達成する事が出来ました。


その中でもコミュニケーション事業部は、
大きく事業を拡大しました。

売り上げベースですが、
1年間で約3倍の売り上げを記録することが出来ました。
もちろん、売り上げだけで事業の成長は計れません。


我々は、コミュニケーション事業部に携わる中で、
多くの出会いがあり、そして、多くの物語が作られました。


この様に、我々の全ての事業部が、
素晴らしい1年を過ごすことが出来ました。
出会った皆様、本当に有り難うございました。


そして、昨年を締めるお客様との関わりは、
あるお客様をお見舞いに行くことでした。

我々にとって、彼女はお客様であり、
パートナーとして事業を手伝ってくれています。

そのお世話になった方が年末に入院されてしまったので、
彼女のお見舞いにいったのです。



あれは、昨年12月28日だったと思います。
数週間前のことなのに、大切な方を見舞った日時の記憶を無くしています。

しかし、年内には退院ができないと医師から言われていた彼女が、
新年早々に退院し、自宅で新年を迎えているというメールを見た時。

私は自分の事の様に感動し、
彼女の笑顔を創造することが出来ました。

あの喜び、感動は今も鮮明に残っています。
『退院おめでとう!良かったね』


もちろん、年末にお見舞いに行ったときに我々を迎えてくれた彼女の笑顔、
笑い声、全ての記憶が鮮明に残っています。



最近、速読が流行っているようです。
数年前、私も速読に夢中になりました。
私のビジネスパートナー達も速読にのめり込んでいました。

しかし、現在、我々は、
その速読を止めてしまっています。

なぜ、止めてしまったのか?


速読を否定するわけではありません。
もちろん、場合によっては役立つのでしょう。

しかし、我々が速読をやめてしまった理由。
それは、五感に響かないからです。

あれ程夢中になった速読を、
我々の仲間達が止めてしまった理由は、感情が揺れないからです。



五感に響かない読書に、価値があるのでしょうか?

今は、五感に響かない速読に興味が向かない私がいます。


もしかすると、私の速読のやり方が間違っているのかも知れません。
でも、これまでに、どんな名著を速読しても、
速読では感動したことはありません。
五感に響いたことがありません。


2008年が始まりました。
アメリカでは、大統領選挙の予備選が行われています。
そして、テレビをはじめとする日本のマスコミは、
オバマ候補とクリントン候補の接戦を伝えます。


新年の日本。
テレビのトップニュースは、アメリカの大統領選挙の事。
その報道は、無機質で、我々の心に響くメッセージではありません。

株式相場。2008年の年明け、大発会から暴落しました。
最近も暴落しています。

しかし、あれ程暴落しても、今回は大きなニュースにはならなかったようです。
そして、マスコミはその株価の値下がりを伝えています。
本当に、無機質でデジタルなメッセージです。


先ほど、地元では有名な若手経営者と打ち合わせをしていました。
まだ40歳の彼。私の知る限り、地元でNo.1の成長企業です。
彼は、パン屋さん。今春、5店舗目のお店を出店します。

「椎名さん。今度のお店は、敷地が700百坪とゆったりしてるんです。
 そして、私のパン屋だけでなく、四季を彩るオシャレな花屋さん。
 もしくは、季節が味わえるガーデニングが出来るショップと一緒にやりたいんです。

 更に、ランチだけサービスする小さなレストランも作ります。

 それは花と緑に囲まれたテラスとマキのストーブがあるレストランで、
 寒い冬でもテラスでコーヒーとナポリ・ピッザァが味わえるお店です。

 寒い冬でも、昼間は外で食事をするお客さんは多いんですよ。
 ナポリ・ピッザァは、マルゲリータとマリナーラが有名なんですが、
 本格的な焼き窯と手作りに生地と本場のチーズで・・・・・

 今、やる気のあるコックさんを捜しているのです・・・」


やり手の経営者は、天然のコミュニケーションの達人でした。

2008年のお正月。
テレビはこれまでと同じように無機質なニュース。
そして、同じネタを繰り返すお笑い番組がメインでした。

だから、どのテレビ局がどの様な番組を放送したのか?
全く記憶にありません。

あれ程までに夢中になった速読。
しかし、あの頃、一緒に学んだ仲間の誰もが止めてしまいました。
(もちろん、続けている方もいるでしょう)

昨年の暮れ、ある友人が、我々がお世話になったお客様のお見舞いに誘ってくれました。

入院している彼女に我々は、本当にお世話になりました。
彼女は大切な時間を使い。
そして、体調が不十分の中、
入院する直前まで我々のお手伝いをしてくれたのです。


我々は五感を大切に出来る動物。
あまりにも変化の早い時代。
そんな中、速読というやり方で時間を大切にする本の読み方も有効なのかもしません。

しかし私は、時間をかけても涙を流したり、
声を上げて笑ったりしながら本を読む時間がある生活がしたい。



我が家のお正月。

普段は本を買うことも、読むこともない長男が買ってきた一冊の本。
『ホームレス中学生』

三世代が住む我が家。

正月のテレビを付けっぱなしで、
母、妻、長男、そして私が順番に本を読んで流した涙。
笑った声。

素晴らしい正月でした。



五感とは、なんて素晴らしい。

そして、生きているとは、そんなものなのかもしれません。

今年もよろしくお願いいたします。

椎名規夫