ウォーズの話 | スピカの住み家

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気まぐれで更新します

将棋ネタを書いていないので追加で。最近、将棋ウォーズで3切れ七段になりました。


わかる。わかるよ。何発撃ったんだ?って。いやいや、何もチートは使っていないです。だからこそ嬉しくてですね、この上なく達成感もありまして、今年唯一良かったことになりそうなんですよ。


ウォーズはもう10年以上やっています。私が六段になったのはそれこそ黎明期で、まだ人が少なかった頃でした。強豪が少なかったからか、スイスイと勝っていき、気づいたら六段に到達。別に苦労した記憶もなく余力たっぷりだったんです。当時は課金もしていました。


見返してみたら2013年3月にはすでに六段でした。まだ10秒将棋がない時代ですよ。


ところが、七段を目指すことはしませんでした。達成率が伸びなくなり、1敗の重みがきつくなってきたからです。いつしか課金もやめてしまいました。そして10切れや10秒をよくやるようになりました。3切れはもう十分。別に六段でもまあまあだよなと。


あれから11年(きみまろ)。3切れの熱が戻ったのは、10切れに絶望したからでした。そちらはま〜治安が悪い。10日に1回はソフト指しか棋神連打に当たっているような気がするんです。


10切れはずーーーっと五段にいまして、最高であと数%で六段昇段というところから次々と負け続け、とどめに棋神連打らしきアカウントに負かされて心折れたのでした。よく「しっかり考えてやるなら10切れ」という風潮がありますが、そういう層に当たった際に耐えられるかどうかの精神力も試されます。強い人に教えてもらったという心情なら人生は楽しいのだけれども。


ウォーズはなんともいえないコンテンツです。実戦不足解消になるような気もするし、手が荒れそうな気もします。私は最近後者になりました。


3切れ七段になった頃は毎日3局指していまして、それこそ反射神経の鬼と化していたのです。ただ、これをリアルでやったとき、それまでと違う異変を感じたのでした。

とあるリアルでの対局(20分30秒)です。お相手は奨励会級位者。その将棋は中盤の始まりくらいでお相手が突然10分以上考えたのです。これがいつもより長く感じたのでした。(どうせ〇〇しか指す手ないんだから早くやればいいのに)と思っていると、だんだんと気持ちが切れかけていき……そして長考のすえに指されたのが、こちらも予想していた当然の手でした。


もちろんこれは長考派なら普通のことで(私も子ども時代そうでした)郷田流、ひふみん流なんですが、私はもう勝った気がしていたのでした。その要因は時間差です。普段切れ負けばかりやっていると、もう勝負ありの差なんです。だいぶ楽に勝てる差がついていたのでした。


ここからがウォーズの弊害というか、よくない方向に向かいます。私は3切れで時間差で勝てそうになると、流す方針になるのです。これは受け切りという概念ではありません。極力局面を荒くさせないよう、左官屋さながらの丁寧なフラットな具合に収めるのです。つまり、徹底的に駒を埋めるようなことはせず、適度に相手に考えさせる要素を与えながら(攻めるとか)切れ勝ちに導くのです。徹底抗戦をすると、相手も豹変して超早指しになりますからね。そういうタップ勝負は年寄りかつiPhone勢には分が悪いのです。若者のタブレット両手指しには絶対敵いません。


で、これがリアルでも出そうになったのでした。やばいです。ただでさえ悪い切れ味がいつもよりやばい。

当然切れ勝ちなんてものは存在せず、なかなか投げてくれません。そうなると疲弊するのは私。エアポケットが出てあれよあれよという間に大逆転負けを喫したのでした。


次戦、今度もいつも通りのテンポで指していると、やっぱり異変が。勝負どころで止まることができなくなり、普段はやらないようなポカも出て負けました。


さらに次戦、勝勢の局面から決め方がわからなくなり、そしてあわや大逆転負けというところまで追い詰められ……


もう重症でした。これがまさしくウォーズの弊害と感じたんです。手が荒くなる、読みが雑になる、時間で勝とうとする。


プロや本物のアマ強豪の方は皆、たとえ切れ負けであっても将棋で勝とうとするのがすごいんです。これがリアル大会で活躍できる人との差なのかなと。


それ以来、10秒将棋に切り替えました。相変わらず出来は微妙ですが、ひとまず六段を目指します。




ちなみにこの記事、ウォーズで変なのに負けるたびにちょびちょび書き足していました。いつもより怨念がこもっています。それにしては更新日が遅いって?そりゃ、七段様ですからそう簡単に負けませんよはっはっは。