後手が私です。
先手の人はここで4八玉と指しました。当時の私は違和感でいっぱいでした。玉は5八か6八に行くものだと思っていたからです。
この人横歩取り知らないのかなと思いながら5一金。以下数手進み…
ここまで来ると先手の狙いが見えてきました。飛車を左に使おうということです。ひねり飛車のような構想ですね。
ここで私が仰天した手が出ます。
2七歩!
なんだこの手は…としばらく考えましたが、わかりませんでした。当時はまだ蓋をする感覚が浸透していなかったように思います。
戦いが進むにつれ、玉頭をカバーする狙いなのかとわかりました。
ここで先手の指した6八銀が局後悔やまれていた手。6九角と打ち込み、金が助かりません。7九銀と戻りましたが、0手で急所に角が入ったことになります。以下は4筋に殺到して勝利。
当時は8五飛戦法がまだプロ間でたくさん指されていた頃だったと思います。
4八玉と2七歩は衝撃でした。今では当たり前の手筋ですが、数年後の感覚を先取りされていたのではないかと邪推してしまいます。あの有名な新戦法を考えつくのも納得です。
次に指すときは本家立石流と戦ってみたいと思っていました。残念でなりません。立石さんのご冥福をお祈りします。