スピッツ新アルバム | スピカの住み家

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スピッツの新アルバムが発売された。
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小さな生き物。前作とげまるから3年半も経っていたのかと思うと時の早さに驚愕する。
とげまるは期待してから非常に長い期間待ったが、今作は驚くほどあっさりリリースされた。もう少し先の話かと思っていたが、両A面が効いたのだろうか。


毎回アルバムはきっちり買っていたのだが、今回は買うまでに時間がかかった。

なぜなら私はこの時期金欠に悩まされていたからである。(継続中)
今回のアルバムは、通常版と限定版の二つのタイプがあり、限定版はDVDやボーナストラックが存在する。その代わり少々値段がお高くなってしまうのだ。

以前までなら即決で限定版を手にしただろうが、これは悩んだ。
ようやく限定版を買うことを決心したのだが、これではスピッツファンの風上にもおけない。要反省である。


とりあえず曲順は適当だが、10週くらい聴いてしまったので感想を書いてみる。



・「未来コオロギ」
1曲目。1曲目はだいたいあっさりした前菜チックな曲が多いのだが、今作はいきなりどえらいメインディッシュをぶっこんできた。そうきたか!という感じである。まず最初のイントロで痺れた。ほのほ以来の衝撃だ。個人的にベスト20に入るだろう名曲である。



・「野生のポルカ」
買う前から気になっていた曲がこれ。
ポルカというと、ニャースの例の曲が思い起こされるのだが、野生…?
ポニーみたいな感じなものを想像していたが、調べてもよくわからない。ただ、曲の雰囲気はそんな感じである。
あっという間に二番まで駆け抜けるとラストはコーラスである。躍動感溢れる良曲。


・「オパビニア」
なにかの曲に似ているのだが、はっきり思い出せない。最後のサビに入るのかと思いきや突然終わってしまう物足りない感じのする曲。あまりにあっさりなので最初は驚いてしまった。しかしこの曲の短さがスピッツらしい。



・「僕はきっと旅に出る」
今回の目玉といっても過言ではない。旅行のCMにも起用されており、久しぶりに好きなシングル曲が出たと感じていた。フルで聴いたらますます好きになった。ぜひ皆さんもYouTube等で聞いてもらいたい。



・「潮騒ちゃん」
三島由紀夫が好みそうな堅苦しい言葉にかわいらしい“ちゃん”をミックスさせてしまったスピッツらしいタイトル。
雰囲気はマーメイドに似ていた。なかなか中毒性が高いリズムの曲である。
歌詞はところどころ福岡?の香りがする。



・「エンドロールには早すぎる」
さざなみCDの不思議、とげまるの恋する凡人枠である。パッと前奏を聞いただけで良曲とわかるタイプのやつだ。
こういう曲をシングルにすればいいのにといつも思ってしまう。この曲が嫌いという人はそういないのではないか。



・「遠吠えシャッフル」
これもなかなかパッと聞いた感じは良曲である。アルバムの後半になると捨て曲が目立つのだが、これはむしろ上位に入る。スピッツ特有のサビの伸びはいつの時代も絶品。反面カラオケ泣かせでもある。



・「ランプ」
いわゆるスルメ曲というやつである。聞けば聞くほどハマる。サビの最初の[あなたに~]は聞いていて安心してしまう。もう曲が終わってしまうのかなと不安になったところでそのフレーズが流れるともうたまらない。これ女性なら鼻血もんでしょうね。



・「さらさら」
最近のスピッツらしいシングル曲。リリースされた当初はあまり好きではなかったが、だんだん好きになってきた。ちなみに早口になるパートの三輪の声が私は大好きである。
あの低い声が混じる曲は総じて良い。そういう意味では名前をつけてやるが至高だ。



・「りありてぃ」
あまりこのアルバムはロックっぽい曲がない。その中では比較的盛り上がる曲だろう。歌詞の中にある金魚は小さな生き物を意味しているのだろうか。歌詞カードにもそれは表れているように感じる。



・「スワン」
ネズミの進化みたいな曲。じわじわと盛り上がっていくタイプである。
やや癖はあるが、短くまとまっており好印象である。のんびりした曲はあまり好きではないが、やはり短いから許せるといったところ。



・「scat」
ガチのscat。歌詞は無く、イントロだけが流れるリコシェ号みたいな感じだ。インストロメンタルは宇宙虫以来というのだからかなり久しぶりである。
こういうのに力を入れるのがスピッツなのだろう。めちゃくちゃ良い曲で、正直驚いている。早くも中毒気味である。



・「小さな生き物」
スピッツも初期に比べて大衆向けの曲を作ったなあと感じる曲。
なんだか震災復興というイメージが強い。とにかく[負けないよ]のフレーズが耳に残る。
アルバムのタイトル曲でもあるので、これを中心とした出来となっているのだろう。ただ、私はスピッツらしくない曲だと思っている。どちらかといえば未来コオロギを推してほしかった。




さて、ここまで書いたが、限定版は14曲目が存在する。これが楽しみでしょうがなかった。



・「エスペランサ」
12月の雨の日みたいなイントロからじんわりした曲調。そして歌詞カードを見て私は驚愕した。
短い。かなり短いのだ。
また、初期のような芸術的な歌詞(意味がわからないとも言う)にも惹かれた。ああ、まだまだスピッツやれるじゃないかと感動してしまった。

この曲はスピッツ全盛期であった95~96年頃に作ったのではないかと疑うほど、雰囲気が良い。透き通るサビはもう耳のご馳走とも言うべきだろう。最後にとんでもない名曲を出してきたものだ。


限定版を買って本当によかったと思う。もう一曲DVDで「あかさたな」も収録されてあるのだが、これはまた。

小さな生き物は完成度が高いアルバムだ。期待以上のものである。特にエスペランサは素晴らしかった。
スピッツを聴いたことのない人も今作はぜひ買ってもらいたい。