地面師たちというネットフリックスのドラマがある。



綾野剛や豊川悦司という名優に囲まれながら、密かに脇役の名のないような人達の芝居が注目されている。



地面師たちと共謀して騙す役どころの売り手の老人や、受ける公認会計士の役者、こうした人達にスポットが当たっている。



こうしたことは人気ドラマほどよくある。



例えばフジテレビドラマの白い巨塔とか、解剖医の大河内教授を演じた役者はアルバイト生活だったとか。



そもそも、カメラを止めるなのように、小さな規模の映画が評価されることもある。



大物の人気役者が揃えば必然的にそこに注目はいく。



だがしかしだ。



ドラマや映画を真剣に見てるほど、脇役の演技にさえ注目する。



簡単に言えば、将棋とて王将や飛車角のみではなく歩を動きとて重要である。



もちろんそれを引き立てているのが他ならぬ名優達なわけだが。



その逆を書けば、せっかく演技派を揃えても脇役がザルでは評価も落ちる。



白い巨塔で大河内教授役が光を浴びた一方で中村雅俊の息子の棒演技が目立ってしまった。



ドラマなんて大概はフィクションだが、それをリアリティを持たせるのは主演だけではなく、脇役の動きも重要になってくる。



スポーツとてドラマとて、絶対的なエースのみでなく脇役も活躍してこそ勝てるのだ。



人気のドラマ、強いチームほど脇が活躍している。



たかがドラマだが、やはり数字を上乗せするのは脇の活躍に他ならない。



作り手側からすれば、それも踏まえてドラマ製作をしていると言えよう。



作り手、例えばプロデューサーからしての話。



盤石な駒を揃えた上で、歩のつもりで招いた役者が、桂馬のように動き回って、結果として重要な役回りに数字の面でなれば嬉しいこの上ない。



こんなブログで書くのもなんだが、役者の卵が読むならばこう書きたい。



例え端役でも、見ている人はいて、それが評価されることもあるし、端役のセリフが少ない役どころでも低評価に繋がることもある。



少し違うかもしれないが、たとえ芸人ひょうろくもそうかもしれない。



ある日にさらば青春の光の事務所にアポ無しで来た男が、今やCMからバラエティーまで出ている。




芸能は特に、何がきっかけで売れるか分からない。



そんなところにチャンスがあって、花開くこともある。



そしてそこに年齢は関係なくなることもある。



役者だけでは食えず、下手したら生活保護を受けようかという年配役者が、1年後にバイプレイヤーとして活きてる可能性もあるし、サラブレッドのように鳴り物入りでデビューしたのに気づけば仕事なしもある。



私は芸能関係ではないが(苦笑)