コミュ障あるあるの基本中の基本だけど
服屋の店員に話しかけられるのが大の苦手だ。
「これは今年の流行のなんとかかんとかでして」なんて説明されても
「はあ、そうですか……」としか感想が出てこない。
あそこから話を膨らますことができる人ってすごいと思う。
ただ、いくら苦手だといっても
裸族じゃあるまいし服は買わなきゃどうしようもない。
なので、コミュ障はコミュ障なりに
なるべく話しかけられない様に工夫している。
服屋に到着したら、
まずはTシャツコーナーに陣を取る。
Tシャツを選んでいる人間に話しかける店員はまずいない。
ここは服屋において最も安全なエリアだ。
そのエリア内から、本来の目的の品を探す。
店員と目が合わないよう細心の注意を払いながら。
店員が別の客に話しかけた時は最大のチャンスだ。
絶対に逃すわけにはいかない。
目当ての品を見つけたら、急いでその場へ向かう。
ここから先は時間との戦いだ。
店員から話しかけられる前に「XL」を探す。
見つけるのに手間取る場合も多い。
ハンガーの金具部分が他のハンガーと絡まって
ガチャガチャガチャ……やべえ、外れねえ!
と焦ることもしばしば。
無事にサイズを見つけることができたら速やかに試着。
いくら急いでいるからといって、値札を確認することも忘れてはならない。
店員が鏡の位置を示す前に、自ら鏡の前に移動する。
さすがにこの時点で店員は寄ってくる。
こればかりは仕方がない。
「こちらの商品はどうのこうの」と、にこやかに説明をしてくれるが
この時こそ「はあ、そうですか……」と答えて会計を済ませれば終わりだ。
でも、こういうのに疲れるから、最近は通販を利用することも多い。
通販なら何時間も掛けてじっくり選ぶことができるし
サイズさえ分かっていれば、服屋で慌てて買うよりも失敗はないし。