【実話ベース】”私みたいですね”壊れたドライフラワーを見て、心を閉ざしたOLが涙… | 読むだけで強くなる

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整体、遠隔、不食、幽体離脱、縁結び,先祖供養、風水…



 

※枯木となった鉢植えに自分を投影するクライアント(右)

 

「名医は枯木を見ても薬にする」

                             (医者 貝原益軒)

 

薫子(かおるこ)さん(33歳)は、

東京のオフィス街にある

 

メンタルクリニックに勤務する、

雇われセラピスト。

 

ぽっちゃりとした

温かみのある体型に、

見るだけでほっとするような

 

「ふんわか美人」の薫子さんですが、

 

最近は、

 

「どんなに優しく話を聞いても、

 クライアントの心に深く届かない」

 

という手応えのなさに、

密かに悩んでいました。

 

プロとしての力不足を感じて焦る

薫子さんの現在の目的は、

 

クライアントが

自分の力で立ち直るための

本当の助けになること。

 

しかし、

 

心を固く閉ざしてしまった人に

どう関わればいいのか、

 

その答えが見つからず、

大きな壁を感じていました。

 

そんなある日、

薫子さんのもとに

同年代の会社員、恵子(けいこ)さんが

 

カウンセリングに訪れました。

 

恵子さんは職場で、

ワガママな後輩と理不尽な先輩の

 

板挟みになり、

すっかり疲弊しきっていました。

 

「自分が我慢すればいい」と

 

無理を重ねた彼女の表情は、

生気を失い、

 

まるで今にも折れてしまいそうな

一本の”枯木”のようでした。

 

薫子さんはいつものように

優しく傾聴し、

 

労いの言葉をかけましたが、

 

恵子さんは

 

「私が仕事ができないから悪いんです」

 

と頑なに自分を責め、

心を閉ざしたまま。

 

ただただ疲れ果てた様子で

うつむく恵子さんを前に、

 

薫子さんは自分の無力さに

打ちひしがれそうになります。

 

その日のカウンセリング中、

張り詰めた沈黙が流れるなか、

 

突然のハプニングが起きました。

 

窓から強く吹き込んだ風の拍子に、

 

棚から一つのインテリアが

ふわりと床に落ちました。

 

それは、薫子さんが大切に飾っていた、

天然の秋色アジサイとユーカリで作られた

繊細なドライフラワーでした。

 

床に落ちた衝撃で、

繊細に乾燥していた主たる枝が、

 

パキリと

音を立てて

 

根元から無残に折れて転がりました。

 

薫子さんは

「あっ」と声を上げ、

 

慌てて拾い上げようと

しゃがみ込みました。

 

するとその時、

うつむいていた恵子さんが、

 

折れて転がった乾いた枝を

じっと見つめ、

 

ぽつりと呟いたのです。

 

「……私みたい。 

 

 中身が全部乾ききって、

 ただのゴミになって、

 

 最後はこうやって 

 脆く壊れちゃうんでしょうね」

 

その言葉と、散らばった乾いた枝を見た瞬間、

 

薫子さんの脳裏に

稲妻のような衝撃が走りました。

 

そして、かつて読んだ

貝原益軒の言葉が鮮烈に蘇ったのです。

 

「名医は枯木を見ても薬にする――」。

 

薫子さんはハッとしました。

 

 

 

※丁寧に植物の世話をする薫子

 

 

「私は恵子さんの

 『壊れてボロボロになった姿』を、

 

ただ元に戻すべき悪いもの、

隠すべきゴミのように

扱っていなかっただろうか。

 

違う。

 

この完全に折れて、

散らばってしまった

 

枯木のような状態の中にこそ、

彼女が

自分らしく生まれ変わるための

 

『薬(本音)』が

眠っているんだ」

 

そう強く確信したのです。

 

薫子さんは床にしゃがんだまま、

折れた枝を優しく拾い上げ、

 

恵子さんの目を

まっすぐに見つめました。

 

「恵子さん、このドライフラワーは 

 ゴミなんかじゃありません。

 

 折れてしまったけれど、

 この枝の奥からは、

 今とても強い木の香りがしています。

 

 恵子さんが限界まで、

 誰かのために耐え抜いて、

 

 必死に頑張ってきたからこそ、 

 この形になったんです。

 

 そのボロボロになった心の中には、 

 恵子さんがこれから

 新しく芽吹くための、 

 

 とても強いエネルギーが眠っていますよ」

 

と、力強く、

そして温かく語りかけました。

 

その言葉が、

恵子さんの心に

深く突き刺さりました。

 

彼女の目から、

堰を切ったように

大粒の涙がぽろぽろと溢れ出しました。

 

「私……本当は

 もう限界だったんです。

 

 先輩にも後輩にも

 いい顔をするのは嫌だった……!」

 

と、これまで抑え込んできた

本当の感情が、

 

激しい言葉となって

溢れ出しました。

 

恵子さんが流した涙と本音は、

一見ドロドロとした

ネガティブなものですが、

 

それこそが彼女が、

自分自身の境界線を取り戻し、

 

自分を守るための

「心の薬」となったのです。

 

 

 

※復活した患者の笑顔にほっとする、薫子さん(左)

 

 

 

何回かのセッションを重ね、

恵子さんは職場で

 

「これ以上は引き受けられません」

 

と、少しずつ自分の意思を

伝えられるようになりました。

 

すっかり表情にツヤが戻り、

ふんわりとした笑顔を

 

見せるようになった

恵子さんは、

 

最後のセッションで

薫子さんに言いました。

 

「薫子さん、

 ありがとうございました。

 

 あのとき、

 目の前でリースが壊れた瞬間、

 

 私の心も

 一緒に救われた気がします。

 あのボロボロだった時間が、 

 

 一番の薬になりました」。

 

受付で見送る

薫子さんの心には、

 

確かな手応えと自信が

満ちていました。

 

クライアントの苦しみやネガティブな状態を

排除するのではなく、

 

その「枯木」のような状態の中にこそ、

再生のための薬が眠っている。

 

セラピストとしての新しい一歩を

踏み出した薫子さんは、

 

これからも同年代の働く女性たちに

寄り添い続けることを、

 

心に深く誓うのでした。

 

 

fin

 

 

【総括】

「名医は枯木を見ても薬にする」という言葉が示すように、

傷つき、枯れ果てたように見える心の中には、

本人すら氣づいていない再生への強いエネルギーが

秘められています。

 

ぼくらが日々直面する挫折や、

抑え込んできたネガティブな感情。

 

それらは決して排除すべき

「悪いもの」ではありません。

 

むしろ、自分自身の本当の願いや境界線を取り戻すための、

人生において最も価値のある「薬」になり得るのです。

 

大切なのは、ボロボロになった自分を否定せず、

その状態をありのまま受け止めること。

 

一見すると無価値に見える痛みの底にこそ、

新しい自分へと生まれ変わるための

確かな希望の種が眠っていますから…。

 

 

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