超酢犬の感想文

超酢犬の感想文

映画、本、広告など何か気になることがあったら、感想を書いていきます。内容についても言及してますので、前情報なしでその作品を観たい方はお気をつけください。

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伊坂幸太郎原作、滝本智行監督作品。配給:KADOKAWA、松竹。代理店:電通。

ストーリー全体の流れはまとまっているし、テンポも良い。
しかし、まとまっているだけで内容は薄く感じた。全般的にリアリティがない。
生田斗真演ずる主人公の運動下手設定も、たぶん元々の生田斗真が運動神経が良さそうな分だけ白々しく感じる。
菜々緒の怒り演技もただキレてるだけで悪の組織の幹部っぽさがいまいち感じられない。
殺し屋役の浅野忠信は、すこし顔がふくよかなせいで苦悩に苛まれている様子が半減している。

そして、なによりオチが面白くない。
内容はネタバレなので書かないが、意外性だけを追求したなという印象。これは、伊坂幸太郎の作品によく見られる現象のように思える。


グラスホッパーのメインテーマを、もっと丁寧に描いても良いのにと思う。殺し屋の1人の"群れたトノサマバッタは、体の色が黒ずみ凶暴になる"という言葉が、この作品の核となる部分(タイトルでも使われているくらいだし)なのに、そこに映し出されているのは凶暴になった後の悪の組織と殺し屋だけで、群れから彼らが生まれたんだということを感じることができなかった。

ただ、良いと思うところもあった。
"群れ"と"渋谷のスクランブル交差点"をリンクさせて、"凶暴になりすぎたトノサマバッタの群れは、群れごと始末しなければいけない"という殺し屋の言葉が観客の自分たちに無関係でないことを意識させるところや、序盤の山田涼介の殺しの場面の踊るような立ち回りは良かった。
スリリングなシーンもあるしテンポも良いので、ドラマ感覚で観ると楽しめると思います。