2022年6月。
タイは大麻を合法化しました。
本来は「医療目的」限定で、娯楽のための吸引は禁止されていたはずですが、最近はなし崩し的になってきて、もはや娯楽での吸引がメインになってしまったようです。
大麻を合法化したことで、覚醒剤など非合法薬物の密売が減り、結果的に闇組織に打撃を与えることになるともいわれていましたが、はたしてそれも効果が出ているのかどうか…。
医療従事者や教育関係者の多くは、大麻合法化に反対の立場です。たしかに大麻製品を販売する店舗は増えましたが、急性中毒者が増えたことを医師たちが懸念し、また青少年たちが道路に座り込んで大麻を吸っている姿は、気持ちのよいものではありません(20歳未満には大麻を販売できないはずなのですが…)。
このようなビミョーな雰囲気が漂う中。
バンコク都のチャッチャート知事が、各区の区長に通達を出しました。それは、大麻製品販売店の出店場所確認の厳格化。
これは、都内のミッション系学校の目の前に大麻商店がオープンし、生徒の保護者らが猛反発したことへの反省から発せられた通達です。20歳未満である子どもたちに大麻製品を売ることはないでしょうが、子どもたちは大麻製品を売っている店舗を毎日目にするわけで…。私が親の立場にあったら、やはり心配してしまうでしょう。
チャッチャート知事は、「大麻製品取扱の許可自体は保健省の役割であるものの、店舗の営業許可については都内各区がその権限を持っている。各区長には、営業許可申請を受理した際に、その店舗が適切な位置にあるのかをしっかりと調べるよう指示をだした」と話しています。
アジアで初めて、大麻を合法化したタイ。
周辺国は、その成り行きを注視しています。
観光客が増えたという報道もあるなか、社会への影響については、未だ社会実験中です。