日本女性がインドでハラスメントを受けた? | 「アジアの放浪者」のブログ

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先週、インド各地でお祝いされたホーリー祭り。

どうやらその時、日本の若い女性ツーリストが、地元の男性たちからハラスメントを受けたようです。まずはYahooニュースに掲載された韓国・中央日報日本語版の記事をご紹介します。

 

 

また記事にあるように、この一件はインドでも大きく報じられていて、未成年者1人を含む3人の男性が逮捕されているそうです。現地メディア「India Today」がその時の映像をYouTubeにアップしています。

 

 

またインドがやらかした。

そう感じるニッポン人が多いかと思いますし、私もこれはちょっとやり過ぎだと受けとめています。

 

しかしその一方で、「逮捕」となるまでの案件か?という疑問も抱いています。

 

ホーリー祭りというのものは。

たとえば道を歩いている人に対しても、突然水(泥水のこともある)をかけたり、さまざまな色の粉を顔やシャツなどに塗りたくるケースがあります。これは老若男女関係なく、これは誰に対しても行われるものなのです。但し私の経験では、ある程度しっかりとした服装を身に着けているガイコク人に対しては、事前に一言かけてから水をかけたり、色粉を顔に塗る(そのときも、服に色がつかないように注意して)ことがほとんどです。もし嫌なら、笑顔で「Please, don't」といえばよろしい。

 

この事件がおきたパハールガンジ地区は外国人ツーリストが多いので、その外国人がNoとしっかり断ったら、おそらく現地の人たちだって無理やり水をかけたりはしないでしょう。外国人とトラブルになったらまずい、すぐに警察が動くということを十分承知しているからです。しかしこのニッポン人女性の場合、服装などから判断するに、ホーリー祭りを現地の人たちと一緒に楽しもうという意図で街中に飛び込んでいったような印象を受けます。また、Yahooニュースでは「ホーリー祭りの時に女性1人での外出がとても危険だと聞いていたので、他の友人ら総勢35名ほどでイベントに参加した」と話したとされていますが、このビデオを見る限り、周囲に友人らしき人たちは見当たりません。そうなると、イベントに参加したあとに一人で別行動を取ったのではないか、という感じもします。

 

互いに色粉を塗りたくって大きく盛り上がっているグループの中に、突然外国からの若い女性が入っていったら…。そうなったら、盛り上がりを超えてハメを外す人たちだって、中には出てきてしまうことでしょう。

 

ビデオを見る限り、嫌がる彼女の髪を引っ張ったり、無理やり顔に色粉を塗ったり、頭に玉子らしきものをかけたりとしたことは、間違いなく行き過ぎた行為です。でも彼女の生命が危険に晒された、あるいは性的暴行の危険があった、というまでには至っていません。それゆえ、これで「逮捕」されてしまった3人には、ちょっとした同情も感じています。

 

なお当の日本人女性は、警察に被害届を出すこともなく、あるいは日本大使館に相談することもなく、現在はバングラデシュに滞在しているようです。当人は、「予想以上に派手にやられたけれど、まぁ、旅の思い出だな」と軽く考えているのかも知れませんが、それで逮捕されてしまった3人にとっては、軽く考えられる事態ではありません。

 

現地の文化を尊重し、また現地の人たちの輪に入って一緒にお祭りを楽しむ…。それはとても素晴らしい動機、行動ではありますが、それに誘発されてこうした行き過ぎた事態が生じ、さらに動画になって世界の人たちに視聴され、インドのイメージを損ねてしまうことになってしまったのは、とても残念なことです。

 

現地の文化を尊重し、現地の人たちの生活に敬意を表するならば、たとえツーリストであっても、もう少し自重し、注意して欲しい…。この一件でニッポン人のインドに対する固定的な印象がさらに強まってしまったら、インド人の友人、知人が多い私にとっては大きな悲しみです。