この人って…。
カンボジアの首相ではなかったのですか?
なんだか、中国政府のスポークスマンみたいなのですが…。
こんな思いを持たずにはいられなくなる、カンボジアの独裁者…もとい、カンボジア首相のフン・セン氏。この新型コロナウィルスに関連し、こんな発言が報じられています。
「私は、武漢にいるカンボジア人留学生に会いに行くぞ。もし中国政府がそれを許せば、の話だが」。
カンボジア政府が公表していないので詳細は不明なのですが、武漢を含む中国には多数のカンボジア人が留学に出ているようです。しかしフン・セン首相は、彼らをカンボジアに帰国させるための措置(救援機の派遣など)を一切取っていません。アセアン諸国でも、タイやマレーシアなどは救援機の派遣を認めるよう中国政府に働きかけていますが(タイは、2月4日に第1陣約130人が帰国)、フン・セン首相は、「感染を恐れるな。カンボジア人は誰一人として新型肺炎で死んでいないし、感染すらしていない」と自国民の安全には無関心のようです。
カンボジアのメディアが、武漢に留学しているカンボジア人数人とのコンタクトに成功。彼らは感染への恐怖心から学生寮より一歩も外に出られず、それゆえ食糧などの確保に困難をきたしているようです。たとえ武漢市が定期的に特定の商店に食料品を搬入し、それを購入するために無料送迎タクシーを手配するとしても、中国語が堪能でない人たちは、それにどう対応したらいいのでしょうか。東日本大震災の際、情報不足で恐怖心が広がった方々を想起させる話です。
こうした留学生たちの声に反応した、フン・セン首相の今回の発言。自分は安全な場所に居ながら、何という冷酷さ。ここはぜひ、中国政府には同首相を武漢に招待していただきたいものです。
中国政府のアセアン代表とも皮肉られているほどのカンボジア政府ですから、両国の関係は緊密。カンボジアは中国から多額の支援、多額の投資を得て経済発展をしています。その資金が引き上げられたら、カンボジア経済は大混乱になることでしょう。それがフン・セン首相をして中国政府にここまでおもねる事態に至っているわけですが、その代償は国民の生命の危険。これは、とてつもなく高い代償です。
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