カンボジア強盗殺人事件、禁固刑 | 「アジアの放浪者」のブログ

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10月2日、二人の日本人青年(共に24歳)に対し、カンボジア北部シエムリアップ州にある州裁判所は禁固刑の判決を下しました。

 

中茎竜二被告に禁固13年。石田礼門被告に禁固10年。

合わせて、遺族へ2,500,000ドル(約280万円)を支払うことも命じました。

 

 

二人は今年3月17日に、観光に訪れたカンボジア・シエムリアップで、カンボジア人タクシー運転手のフム・チャンさん(41歳)をナイフで殺害し、所持金やタクシーを強奪した容疑で裁判にかけられていました。

 

二人は公判中、「殺害する意図はなかった」と主張していましたが、裁判所は事前にナイフを用意し、人気の少ない場所で犯行に及んだことから、「計画的な殺人」と認定しました。当然でしょう。

 

ご遺族は裁判所が「計画的な殺人」と認定したことに喜びながらも、賠償金については少なすぎるとし、上告するかどうか検討するそうです。

 

カンボジアは大の親日国。

この事件が起きた時、第一報を受けた内務大臣が、「犯人が日本人のはずがない。中国人の間違いではないのか」と側近に聞き返したエピソードは有名です。それだけの信頼を、日本人の先達(カンボジア和平のために命を落とした方々も含め)が地道に積み上げてこられたのですが、この二人がそれを大きく壊してしまったことは残念です。

 

しかし、在カンボジア日本人らが中心となって基金を募り、ご遺族の子どもたちがしっかり教育を継続的に受けられるように尽力しています。この取り組みは、日本人への信頼を、カンボジア人たちから取り戻しつつあります。

 

「一度失った信頼を取り戻すには10年かかる」。

私が子どもの頃、こういう話をずっと耳にしてきました。そうして子どもながらに、「信頼って、大切なんだな。壊さないようにしないといけないな」という意識が芽生えたものです。最近の日本では、もうこういう訓示的な話は伝わらなくなってしまったのでしょうか。だとしたら、たいへん残念です。