こんにちは。
編集者・書籍プロデューサーの鹿野です。
本を出したいと思った時、
形にしたいという思いからスタートするかと思います。
そのため、自分のコンテンツを整理したり、
そのまま企画書に落とし込もうと考えるかと思います。
それ自体悪いことではありませんが、
編集者が「売れる本にしよう」と思ったときは、
著者がやっている素材をそのまま本にすることはありません。
そのままやっても本にならない、
もしくは売れるものにならないと考えるはずです。
とんでもなく多いフォロワー、ファンがいるなら別ですが、
一般的にはそれでは「売れない」からですね。
まずやるべきこと。
それは「ジャンル」への落とし込みです。
わかりやすくいうと「その本はなにの本なのか?」を明確にすること。
ジャンルとして形になっているものでないと、
書店で置きにくい、書店に置いてもらいにくい状態になってしまいます。
書店で置きにくい本は、原則売れません。
絶対とは言えませんが、売れない可能性は極めて高い。
これなにの本?
を明確にしましょう。
「話し方の本」
「メモの本」
「人間関係をラクにする本」
「終活の本」
「聞き方の本」
「集客の本」
これがジャンルを落とし込むこと。
これができていないと、何の本かわからず、形になりにくい。
いってしまえば企画を出版社の会議で通すことが難しくなります。
最初から「話し方の本」と決まっている場合はいいですが、
落とし込むのが難しい場合もあるかと思います。
たとえば「コーチング手法で人生を変える」みたいなものがあったとしますが、
これだと何の本かわからないですよね。
「コーチングの本です!」
「人生が変わるんです!」
みたいにおっしゃられる方もいるのですが、
それでも「よくわからない」と言われてしまいます。続けて編集者からは
「コーチングの手法を使って、何を解決するんですか?」
を聞かれると思います。
これを聞かれるということは分解不足。
人生が変わる→「何がどういうふうに変わるから人生が変わると言っているの?」
と分解していく必要があります。
・人間関係が変わるから、人生が変わる
・コミュニケーションが変わるから、人生が変わる
などなど。分解していくと、
「〇〇が変わるから」という部分がジャンルになりそうです。
仮に
「人間関係が変わるから、人生が変わる」
と分解できた場合は
「コーチング手法によって人間関係を変える本(人間関係の本)」
とジャンルへの落とし込みができます。
その上で、コンセプチュアルな企画にしたり、
オリジナリティのあるメソッドを出したりする。
「これまでなかった本にしたい」と思うかもしれませんが、
そうであっても大事なのは「ジャンルへの落とし込み」。
これをした上で、唯一無二の本にしていけばいいのです。
これが全てではないですが、
そうすることで、出版への道は開きやすくなるはずです。
ではまた。