カナダで生き残るには | TABI天使日記

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天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

頑健でないとダメ。

GPの予約があったので、お出かけ。
ちょっとカナダを留守にしている間に制度に変更があったらしく、今では
例えば専門医へ紹介するのにもかなりの制限があるらしい。彼女はまだ若く
研修が終わったばかりというかんじだし、勤めるクリニック自体がオープン
したばかりなので、あんまりコネがない。だから、紹介先が限られている。

専門医にかかるまでの待ち時間というのは、カナダでは昔から非常に長い。
地域にもよるが、このあたりでは例えば命にかかわる重症であればおそらく
二週間ほどの待ち時間で専門医に面会できるが、そうでないと半年から三年
と言われる。中絶手術の待ち時間が二ヶ月以上のため、妊娠に気づいてから
実際に中絶を受けるまでに胎児が育ちすぎてしまい、手術を受けるころには
新生児と同じくらいの大きな赤ん坊を取り出す結果になってしまうのだという。

マモグラムを受けるにも、「年齢が五十歳以上」という制限があるため、
若い人は自己診断でおかしいと気づいても検査を受けるのは難しい。
主治医がスクリーニングセンターに申請し、センターが「この患者は検査の
必要あり」と認めた場合のみ、例外的に五十歳未満でも検査が受けられる。
そうでなければ、ダメなのだ。経済的に余裕があれば国境を越えてアメリカに行き、
自腹を切って(新車一台分くらいの現金が最低必要となるが)検査を受けてくる。
知人で初期の段階でマモグラムが受けられず、あっという間に第四期まで
乳癌が進行してしまった人がいる。カナダで乳癌になるなら、五十歳以降
でないと困る。

さらに、処方箋薬も患者が入っている民間の保険会社が認める薬しか基本的
に出せないそうで、こういう制限があると患者は病状に合った適切な薬が
使えないか、あるいは自腹を切って高額な薬を買うしかない。

今日も私が欲しかった薬を処方してもらえなかったので、薬局でOTCを買って
帰る。そのほうが安いのだ。処方箋を通して買うと、同じ薬が三倍の価格に
跳ね上がる。次回は国境を越えてアメリカへ行った時に買ってこようと思う。
同じOTCでも、アメリカの薬局のほうがはるかに安価だからだ。

医療がタダといっても、こういう不都合があると果たして本当に患者が医療
の恩恵を受けているかどうかは疑問である。待ち時間の多いERでは、こんな
ことも起きているのだ。
http://www.ottawasun.com/news/ottawa/2010/12/09/16491901.html