どこにでもいるものである。
お天気が良いので、夫婦で庭の手入れ。
TABIはおとなしく木陰でおりこうにしていたので、夕方まだ早いうちに
公園までお散歩に連れて行ってあげた。公園の入り口には年取ったゴールデン
がいて、私達を見るとニコニコして走って(本犬は走っているつもりなのだが、
体がついていかなくて歩いているのと同じスピード)きた。
見覚えがあると思ったら、NICKYだった。彼女はたしかTABIと同じ
十歳だ。いつもの飼い主さんでないので話をしてみると、飼い主さんのお父さん
だという。「いつもは娘が散歩に連れていくんだけどね」
犬の年の話になり、「うちでは昔、ダックスを飼っていたけど、みんな十六歳
から十七歳くらいまで元気で暮らしたよ」とのこと。
そんな話をしながら犬と遊んでいると、不機嫌そうな男が近寄ってきた。
「犬にリードをつけないのは条例違反だってこと、知らないのか」
あ?あ、またかよ。
子供も誰もいない公園で、よく躾された犬同士が仲良く遊ぶことになんの問題
があるのか。この男は公園のすぐ向かいに住んでいて、ヨーキーを飼っている。
NICKYの飼い主のお父さんは、男が去ってから「あいつのヨーキーは
一日中つながれて、ろくに散歩にも連れていってもらえない。どっちの犬が
幸せなのかね」と、ニガニガしく言った。同感。
「今頃あいつは市当局に電話でチクっているだろうから、残念だけど今日の
ところはこれで帰るしかないね」と言って、私達はみな家路へ。もっと
遊びたそうな犬達が、ちょっとかわいそうだった。