今日の競技会で学んだこと。
スタンダードのラウンド1でドッグウォークの登り、地面から1メートルほど
の高さでTABIの足が滑ってしまった。落ちはしなかったが、それ以上
なんとしても登ろうとしない。結局自分から飛び降り、NT。
「新米じゃあるまいし、なんだ!」と夫はカンカンに怒り、TABIは
しょげている。確かに競技歴7年、アメリカでは二つのチャンピオン・タイトル
を獲得した犬が、ウォークでびびるなんて有り得ない。
去年の秋に怪我した爪か、とも思ったが、既にあれから二度の競技会で走り
何事もなかった。一応爪を見ると、怪我爪は割れてはいないが角が削れて中
の透明部分が少し見える。治ったもののまだ柔らかいので、削れやすいのだ。
強い力がかかった証拠である。さらに、他の爪全部にウォークのペンキと
見られる染料が付着。滑った時にバランスをとろうとして必死でボードの表面
をつかんだからだ。
前回ここでの競技でも、やはりウォークで滑ってヒヤッとしたことを思い出した。
他の犬の走りを観察すると、大型犬の何頭かが上りと下りで足元があやうく
なっているのが歴然。あるゴードンセッターは、ラウンド1で落ちそうになり
なんとか完走したものの、ラウンド2ではトンネルから続くウォークへ登ろう
とせず、Uターン。ハンドラーは何度もウォークへリードしようとしたが、
犬は絶対にウォークへ近寄らない。マスターズ・レベルの犬では有り得ない
状況だ。
そこでウォークを調べてみて驚いた。ボード表面の滑り止め加工が完全に
磨り減ってしまい、ペンキもはげ出し、木の板自体が割れてボロボロ。
アメリカでは、どこもMAXとか最新式のクオリティの高い障害物を使って
いたから、こんな酷いのを見たことがない。これでは犬が苦労するのは当然だ。
実は爪の怪我も、ここで前回走ったすぐあとに起きたので、おろらく競技中
に滑った時にすでに爪に大きなダメージを受けてたものと考えられる。
TABIは用心深いので、前回の痛い目を覚えていて今回は怪我する前に
途中で止めることを選んだのだろう。昨年暮れの別の場所での競技会では
ウォークでびびることがなかったのは、そういうことだったのだ。
犬が障害物を拒否する時、絶対に何か理由がある。「根性がない」と怒る前に、
犬のメッセージを素直に受け止めるべきだと思う。