一晩中雪が降り続いたらしく、昨日きれいにしたドライブがもう真っ白。
犬は大喜びで、山のように積もったドライブ脇の雪だまりにつっこんでは
全身真っ白になってヘラヘラしている。雪がひどくならないうちに、TABI
のパッドに雪よけワックスを塗ってから公園へ。
公園の入り口に、年老いたゴールデンがいた。
彼女がトイレの場所を物色している間、飼い主の男性は辛抱強く待っている。
ゴールデンの目や口の周りは白髪で真っ白、足腰も弱いのか、深い雪の中では
歩くのもやっとのようだ。15、16歳くらいか?
TABIは彼女を見ると大喜びで駆け寄り、お尻をかいでから「遊ぼう!」
のポーズをとりながら周りをビュンビュン駆け回る。やさしい彼女は、
「遊びたいのはやまやまだけど、体がいうこときかないのよ」といった様子。
目も悪いのか、飼い主に呼ばれてヨボヨボと歩道に戻ってきた彼女は、やっと
私のいることに気づく。典型的なフレンドリーなゴールデン、ニコニコしながら
こちらへ歩いてくる。だが、気持ちは前方へ向いているのだが、足腰がついて
いかないようなので、私のほうからゆっくり彼女のほうへ歩み寄る。
なでてやると、本当にうれしそうだ。毛の量も少なくて、かなり年のようだが、
飼い主は「9歳になったばかり」と言う。TABIより年下?!
まあ大型犬は早く年をとるし、とくにマジメに毎年予防接種とかしてると
早く老けて早死にはまぬがれないが、ちょっと驚きだ。だって、ユタ州に住む
アジリティ仲間のゴールデンは、13歳でチャンピオンシップで走ってた。
しかし犬のいいところは、他人と比べて落ち込まないところだ。
このゴールデンも、自分より年上の犬がピンシャンしてるのをうらやましがる
でもなく、ただ雪の中の短い散歩を楽しんでいる様子。TABIは、いくら
誘っても彼女がのってこないので、彼女の顔をペロリとひとなめして「じゃ、
お先に!」とばかり、落ちていた木の枝をくわえて公園のサッカーフィールド
に向けて走り出し、あっという間に点になってしまった。
歩道に残された私たちは、それを呆然と見送った。
私はゴールデンと飼い主に「じゃ、またね」と言って、サッカーフィールド
へと歩き出す。あの子のスピードに、この雪の中では全くついていけない。
でも耳のいいTABIは、どこにいても口笛一つで戻ってくるから安心だ。