って取り扱い注意。
近所のAは、最近離婚して小学生の子供二人のいる中年女性。内向的な連中
が多いこの界隈で、向こうから声をかけてきた彼女は気さくで良さげな人。
たまに子供を引き取りに来る元夫は、若いOL風の愛人を助手席に乗せている。
この女が離婚の原因となったかどうかは知らないが。
さて、雪かきをするAと立ち話をしてたら、なんか話が変。よくよく聞いて
みると、彼女は私達夫婦についてなぜかものすごい勘違いをしていたことが
発覚。なんと彼女は、うちの夫は独身で、私のことは韓国から交換留学生と
して来ている女子大生で、この家にホームステイ中だと思ってたのだそうだ。
ビックリを通り越して笑ったよ。引越してすぐ挨拶した時、「東京出身だ」
と言ったのに、彼女は東京が日本の首都であることを知らなかったのだから
仕方がない。ま、こっちの人にはよくあること。だけど、四十男のもとに
ステイしてる女子大生ってシナリオは、一体どこから?
私は笑ったが、彼女の驚愕ぶりは見ていて気の毒なくらい。それも、「とんでも
ない勘違いをして申し訳ない」というカンジじゃなくて、「あなた達、結婚
してたの?!」と、なんかショックからしばらく立ち直れない、といった様子。
「今年で十七年よ」と追い討ちをかけたら、彼女は言葉を失ってしまった。
うちへ入ってからつらつら考えてみるに、思い当たることがある。
彼女はうちの夫が気に入ってるらしく、よく誘いに来る。クッキーを焼いて
夫に食べさせたり、芝刈り機の調子が良くないと言っては夫に調整を頼んだり、
夜十一時過ぎにうちへ来たこともあった。私が起きて出たので、すぐに帰ったが、
確かにうちの夫を独身と思っていれば納得の行動である。シングルマザーと
いうのは何かと苦労が多いので、離婚調停が済むと即「婚活」に入る女が
いるが、彼女もそうした一人なのかも。
安定した収入のあるうちの夫のようなのは、婚活シングルマザーにとっては
かっこうのカモ。今がチャンスとばかりアタックしてたのに、女房がいたと
はショック!ってことか。ま、それはあくまで私の印象だが。それにしても
女子大生と住む独身男なんて、なんとも都合のいい(Aにとって)想像である。
こういうおっちょこちょいだから、亭主に逃げられたのか?
これは個人的に、今年のビックリ事件ベスト10に入るな。