コンサートの余韻が残っている。
と書けば甘美な響きだが、耳鳴りが続いている。
acoustic trauma、いわゆる音響外傷というやつだ。爆発音をすぐ近くで聞いた
あととか、ヘビメタやロックのコンサートで大音量にさらされたあとに聴覚
に異常を起こすもの。
TSOのコンサート会場はもともとスポーツ用のアリーナであるせいか、音響効果が
良くないというかやたらに音量を大きくしているだけで、音が割れてひどかった。
いつもはテレビもステレオも大音量で聞くのが好きな夫でさえ、「音がでか
すぎて楽しめない」と文句を言ってたくらいだ。しかも、レーザー光線と
爆薬仕掛けの舞台演出、脳への刺激はべらぼうに強すぎる。
めまいは良くなったが、まだときおり耳鳴りがしてうっとおしい。Stanleyの
セミナーで、「有毛細胞が傷つくと二度と元に戻らない」ということを言って
いた。聴覚の損失は回復しないだろうが、耳鳴りは消えて欲しい。早めに
正しい診断を受けて対処をすれば、耳鳴りも治るという。クリニックに電話
を入れたが、予約は十日後である。カナダもそうだが、アメリカも、今具合が
悪いといっても命に別条がなければすぐには医者にかかれない。その点、日本
は全く便利である。アメリカの医者に比べたら給料だってそんなにもらって
ないのに、日本のお医者は本当に働き者で、すぐに診てくれるのは有り難い。
高校時代のクラスメイトは、よく耳鳴りがする子で、始まると目を閉じて
「あ!また宇宙からの交信だ!」と言っていた。確かにそんな風に聞こえる。
せっかく交信をいただいても、私には解読できない。
宇宙人よ、信号を送るのはやめてくれ!