夫と一緒にブランチをとったカフェで読んだ地元新聞記事。
刑務所に服役中の囚人に、犬の訓練をさせるプログラムがある。
カナダでも、軽い刑で服役中の女性囚人がそうしたプログラムに参加して
人生変った、みたいな記事を読んだことがある。
こっちのは刑の重さには関係なく(性犯罪はダメ)、刑務所内での素行が
良いと認められ、さらに面接で選ばれた囚人たちが参加するらしい。
犬はというと、シェルターに捨てられた犬の中でも学習能力がありそうと
認められた犬たち。要するに、このプログラムでは人間も犬も、第二の人生
の可能性を求めてがんばるわけだ。
囚人と犬は寝起きを共にし、囚人は犬の世話や躾の仕方を一から学ぶ。
捨てられた犬のなかには、問題行動のあるやつやトイレの躾ができてないの
なんかがいるので、初めはいろいろ大変らしい。しかし、お互いに次第に
絆ができ、いずれは単なる服従訓練だけでなく警察犬や介助犬として働ける
ような、立派に更正した犬に仕上がるという。そうした犬たちは、塀の外に
職を得て、旅立っていく。
軽い刑で服役中の囚人のなかには、この経験がきっかけとなって出所したのち
にプロの犬のトレーナーとして働くものもいるという。だが、終身刑で全く
出所のかなわない囚人たちも、たくさんプログラムに参加している。
まあこういった記事は、読者を感動させるようにいいことしか書いてないのが
普通なので、失敗談とかうまくいかなかった例とかは隠してある。テレビの
特番なんかと同じだ。プログラム自体は素晴らしいが、そう世の中なんでも
善意があればものごとが良い方向にいくとは限らない。
だけど、ほっておけば致死処分されてしまう犬たちが、第二のチャンスを
与えられるというのは、犬好きにとってはうれしい。
トレーニングが終わって犬を送り出すとき、みんな泣くらしい。
そうだよね、寝食を一緒にした、かわいい子供みたいな犬だもの。