因果ということ | TABI天使日記

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天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

「何の因果でこのようなことに」という表現が、日本語にはある。

今年の里帰り中のこと。
町内会のお知らせを持って来た、両親宅の近所の奥さんが「あら、久しぶり
ね」
と、つい立ち話。

この夫婦には子供(といっても、もう中年)が二人いるが、なんと二人とも
生まれつき精神薄弱。上の子は、一人で歩くこともままならない。
夫婦でずっと、この子たちの世話をしてきたらしい。

近親婚、例えば兄妹同士などで先天性異常児が生まれる確立が高いのは常識。
犬でも、純血種の交配では遺伝性疾患や生まれつきの知恵遅れが多発すること
は、よく知られている。しかし、現代では近親婚は禁じられているし、そうで
ないのに子供が二人とも先天異常になる確率というのは、かなり低いのでは
ないか。

この奥さんも自分も80歳近くになり、「膝が痛くで座れないのよ」とこぼす。
子供の世話も、つらいのではないか。

さらに、である。
下の子が脳梗塞で倒れ、車椅子生活になってしまったという。

なんの因果で、そんな。
子供が老親の介護をするどころか、老親がまだ子供の面倒を見なければならない。
私は、かける言葉が見つからなかった。

世の中には、このような人々もいる。
何事もなく無事で暮らせることは、それそのものが僥倖である。