この州のforeclosure率が半年間連続で全米一位になったそう。
さもありなん、というかんじ。
アメリカも広いから、別の州では違うだろうが、とりあえずこの州の人々に
共通するのは「大の見栄っ張り」ということだ。馬鹿デカイ家に済み、ガス食い
の馬鹿デカイ車を何台も所有し、別荘を持ち、子供を私立学校に通わせ...
一体、彼らの年収はどれくらいなのだろう?と思うような、王侯貴族のような
生活。だけど、裏をかえせば借金だらけなのだ。
夫婦二人で寝室が6部屋以上、風呂が4つ、車3台分の駐車場、家の中には
インターフォンがあるような家。そんなものが必要なのかどうか?うちの隣も
中年夫婦二人だが、車5台を所有している。なんでそんなに?と思うが、
マスコミがこぞってこうした贅沢な生活を「理想の生活」と喧伝し続けている
昨今、人々は洗脳されてしまっている。一度生活のレベルを上げてしまうと、
もとには戻せない。奥さん同士の話も、「あれを買った、これを買った」の
自慢話ばっかりだ。
ローン会社はこういう人々に、わりと簡単に莫大な金を貸す。家のローン、
車のローン、子供の学費ローン、借金ばかり膨れ上がっていく。それでも家族が
つつがなく暮らしているうちはいいが、何か起こると大変。医療費が超高い
アメリカであるから、急な怪我や病気で緊急入院・手術ともなれば一晩で
日本円にして500万円の請求が来ることも珍しくない。当然、ローンは払え
なくなる。そうなると、破産申請して譲渡抵当実行手続きをふむしかない。
そんな贅沢をせず、自分の身の丈にあった生活をしていればそんな地獄を見る
ことはないのに、と思う。しかし、luxuryがキーワードの昨今、安全で閑静
な住宅街で比較的こじんまりした家を探そうとすると、困難を極める。
あやしい住宅街になら小さい家はいくらでもあるが、ちょっと住むのは勇気が
いる。「つつましやかな生活」のニーズがないのは、本当に問題だ。
一緒に転勤でこっちに来たカナダ人妻たちは、当初アメリカ人の贅沢ぶりに
目を見張っていた。一年が経過し、彼女たちはすっかりアメリカナイズされ、
隣近所のアメリカ人たちに負けまいと購買欲の餓鬼と化している。このままでは
貧乏カナダに帰国した時、大変なショックを受けるのではないか。大体、車を
3台も4台も国境を越えて持ち帰ろうとしたら、関税だけで大破産である。