人って、いくつになっても学習の毎日だってこと。
前回、我が家ではタダでお犬さまのお泊りを引き受けることがあると書いた。友人知人とか、ご近所とかのわんこ限定だし、たいていの人は常識の範囲で頼んでくる。
しかし、中にはそれを逆手にとって、利用するだけ利用しようとする人も確実に存在する。
ご近所の、あるリタイア夫婦が、まさにそのクチである。
TABIパパの携帯に、毎週のように「うちの子を預かって」依頼が入る。TABIパパはまだフルタイムで勤務しているし、私たち夫婦だっていろいろと予定があるから、そんなによそのうちの犬の世話までできない。だから、ほとんどは断っている。「他の人にも聞いたけど、みんな忙しいのよ。あなたたちが最後の砦」とか言うが、結局はウチがタダだから都合がいいってことでしょ。
断っても断ってもメゲないどころか、先日はこんなテキストが届いた。
「今年の冬は家族で南の島に長期バカンスに行くから、12月と1月の二か月間、うちの子をお願いね」
冗談でしょ?!
これを引き受けたら、クリスマスと正月を含むホリデーシーズン中に私たち夫婦はどこへも行けず、家に閉じこもって他人のお犬さまの世話に明け暮れることになる。当然、即、断った。
だいたいそんなにしょっちゅう家を空けて、犬の世話係を探すのに苦労するなら、なんでペットなんか飼うんだよ?!飼い主としての責任ってものがあるでしょうが。
それか、ちゃんとお金を払ってプロのペットシッターを頼むとか、料金はかさむがケネルに預けるとかするべきだろう。彼らは裕福だから、そのぐらい払えるはずだ。
この近辺のケネルだと、犬一頭を預けるのに一泊だいたい65ドルくらい。二か月となると、4,000ドルくらいか。結局その分のお金を節約したいから、こっちにタダで世話させようってことね。
私たちが「できません」とキッパリ言ったとき、彼らはすごく驚いていた。「ああいいですよ、もちろん」と承諾すると思ってたらしく、どちらかというと憤慨していたと言ってもいい。こういう自己チューな人々は、カナダにはごまんと暮らしている。とくにフランス系カナダ人ね。
こういう連中とつきあうコツは、NOと言うべきときにハッキリNOと言うことである。「申し訳ありませんが」などと、下手に出る必要もない。相手は自分をバカにしてかかっているのだから、悪いのは自分ではない。
相手が「そんな、ダメなんてガッカリだわ」などと泣言をたれても、聞く必要はない。嫌われて口をきいてもらえなくなるかも、なんて気にすることはない。「ああ上等だよ!もうメッセージなんかよこすな!」と強気の態度に出たっていい。
きっぱりした態度をとり続ければ、彼らは私たちを相手にするのをあきらめ、他に被害者を探し始める。犬には罪はないからかわいそうだが、しかたない。
もう私たちは若くないのだし、今後は自分たちの平和を最大限守る手段をとっていかないと、無駄な時間とエネルギーを不当に奪われてしまう。
同様な立場のみなさん、がんばりましょうね。

