前作が面白かったので、読んでみました。
こちらが前作。表紙のコスプレバッタが1匹が1冊目、2匹が2冊目、となっているらしい。
バッタを倒しにアフリカへ | 「めざせ!中学受験!」からの「めざせ!大学受験!?」
借りてみたら、結構な分厚さに驚きました。600ページ超!
自然科学の世界でのフィールドワークの方法、仮説や検証の仕方、論文の組み立て方、発表先、研究費と生活費などがわかって面白かったです。
前作の感想にも書いたとおり、著者はすごく「人たらし力」「愛され力」を持っているのですが、何というか、「損して得取れ」的と申しますか、「頭と尻尾はくれてやる」的に、彼のGivingの精神が先にあって、そこから多くのRewardsを得ている感じがしました。しかも、初めからRewardsを狙ってやっているような嫌らしさはないし、名誉や金よりも、愛や信頼といったRewardsに感謝する姿勢がすばらしいです。
そう、まさに彼のモチベーションが、名誉や金ではないのです。
大学の名前での序列や、他人軸の承認欲求で満たされるとか、稼ぐ金額でのマウント取りみたいな世界からは一線を画しているのが、読んでいて清々しく、応援したくなります。子ども時代にファーブルに憧れ、研究者を志し、ご本人の「好き」と「なぜ?」の気持ちを突き詰めていったのは素敵です。つい、母目線で読んでしまいます。
もちろん、生活費を稼ぐことは大事で、いくら好きだからって無収入で研究を続けるのは無理。かといって、成果の出ない、あるいはただの趣味にしかならないことに研究費を投じるのは許されず、人類の叡智や問題解決に使われるべきであることは、著者本人も十分わかっていらっしゃる。何度もピンチに遭遇していますが、その都度、他責的にならず、腐らずにやれることをやっていった姿も素敵です。だからこそ、こうやって本が売れて印税生活ができるなどの幸運が舞い込んできたのだと思います。
他にも書きたいことがあるので、②へ続く。
