①の続きです。
この本は、1984年に上製本として翻訳出版されているものを、読者の強い要望で原書の小製本と同様の体裁で携帯版として1990年に改訂発行されたようです。確かに、常に携帯して人生の折々に読みたくなる、そんな本かもしれません。
正直、28すべての詩について、私にはまだすっかり腹落ちできてない箇所もたくさんあります。
でも、①で書いた「子供について」と「結婚について」、「施しについて」は、納得するところが大きく、またすべてにおいて理解できなくても、ふと気になる一節に出会うことはありました。
24ページ「結婚について」から一部抜粋
おたがいの杯(さかずき)を満たし合いなさい。しかし、同じひとつの杯からは飲まないように。
おたがいにパンを分け合いなさい。しかし、同じひとつの塊を食べないように。
一緒に歌い、一緒に踊り、共に楽しみなさい。しかし、おたがいに相手をひとりにさせない。
ちょうど、リュートの弦がそれぞれでも、同じ楽の音を奏でるように。
おたがいに心を与え合いなさい。しかし、自分をあずけきってしまわないように。
なぜなら、心というものは、あの生命の手だけがつかむもの。
一緒に立っていなさい。しかし、近づきすぎないように。
なぜなら、神殿の柱はそれぞれ離れて立ち、樫の木と杉の木は、お互いの陰には育たないのですから。
これもまた、良い詩だな~と思います。
杯とパンのくだりは、たまに結婚式でも引用されてるような?
奪い合うのではなく、与え合うのが愛、同一化するのではなく、各々が愛を与え合うべき…そう読めます。
そして、近づきすぎないというのがまた素晴らしい! お互いの陰では育たない…なんと深いのでしょう!
詩集の中では、この「結婚について」の次が①で触れた「子供について」だったのですが、どちらも、(伴侶に)依存してはいけない、(わが子を)コントロールしてはいけない、ということを書いていると思います。つまり、「個」として相手を尊重することの重要性を書いているのかな、と。
③に続きます。