凄く面白かったです。

 

私は、東野圭吾さんの『人魚の眠る家』を読んで、自分の免許証の裏に臓器提供の意思を示し、サインをしていました。

「していました」

過去形なんです。

 

 

 

というのも、つい最近、免許の更新がありまして・・・・・

そのタイミングで、たまたま、ひどいこん睡状態に陥った人が、実は何もかも聞こえていた話とか、臨死体験は嘘だと言っていた科学者が、実際に体験した話などを読み、いやいや、もしかして、ここで臓器提供の意思を示すのは早すぎなのか?と躊躇したのでした。もう少ししたら、ほとぼりも冷めて、もう一度丸を付けて自著するかもしれません。

 

とにかく、そういう一連の出来事の中、たまたま、中山七里さんの本を乱読するというタイミングで、本書を手に取りました。

 

臓器提供を受ける側にも、プレッシャーがあること。

免疫抑制剤を使用しながら、感染症に気を付け、失われた時間を埋めることもできずに、決して完全な健常者と同じ状態で社会復帰できるわけではないこと。

・・・・知らないことがまだまだ多かったです。

 

犯人の動機は、いささか身勝手というか、理解しづらいところがありましたが、臓器提供をする遺族、受ける本人、家族の気持ちを、ほんの少し垣間見ることができます。

 

出来れば、本書と共に、『人魚の眠る家』も、対で読むと良いのではないかな、と思いました。