数ページ読んで、「あれ、これ昔読んだことあったかな?」と思ったのだけど、読んでなかった。

もしかすると、拷問シーンが余りにも辛くて、途中で読むのをやめたことがあったのかもしれない。

でも、今回最後まで読んでみて、ものすっごく面白かったです。

 

 

 

2008年の小説だけど、舞台は近未来。でも、これ今じゃん!みたいな、ディストピア。

マトリックスの世界にも似た雰囲気っていえばいいのか。

 

 

V for vendetta風ともいえるか?

 

 

最近はニュース報道などを見ていても、「・・・っていってるけど、こういう目くらましだろうね」とか「…ってことにして、もうかってるのはここだよね」みたいに、裏が透けて見えるというか、見るような習慣がついたというか・・・。そして、「どうやったらこの世がかわるのか? いや、変わらない、変われない」という諦観も含めて。「だって、システムがそうなってるから」という思考停止!

 

本書には、名セリフが沢山出てきます。

巻末の参考資料を見ると、その数に驚く。

たとえば、「アリは賢くない。けれどコロニーは賢い。」というフレーズ。アリの世界ではうまくいっても、仕組み・システムの中に生きる我々人間には、各々の自我があるが故、コロニーの維持に不都合であるということ。だからこそ、コロニー維持のために、偶然・必然を問わず、何らかの修正が行われている・・・・なんていうあたり、なかなか面白い。「国民に怒られない程度に、国民を守るようなそぶりを見せているだけ」なんて言うセリフも、もう、まさに現在じゃないですか。「仕事が分業化されると想像力と知覚が奪われる」なんて、思い当たりがありすぎる。そんな人いっぱいいるし。恐ろしいことです。「これが仕事だから(だから仕方がない、やるしかない、あきらめざるを得ない・・・)」と、思考停止していることは、誰にでも多かれ少なかれあるはずで、それがどれほど恐ろしいことなのか、無自覚なのです。

 

どうやらこの本は、魔王の続編らしい。そして、ゴールデンスランバーと双子関係にあるそうだ。

私は伊坂幸太郎さんの本は結構読んでいるので、もしかしたら既読かもしれないけれど、再読でもいいから、もう一度手に取ってみようと思います。