【新書 世界現代史】 川北 省吾 著
著者は、共同通信の編集委員。ジャーナリストの本は、事実を中心に分かりやすく書かれていますが、いつも「それで?」の不満が残ります。これに対し、本書は、関係者のインタビューを交えて視点を複層化させ、俯瞰的な視点も持ち合わせています。現在世界で起こっていることは、歴史面での「レコンキスタ(失地回復)」であり、これが同期化して次々に起こっていると分析します。世界全体が歴史や人種の失地回復に取り組んでおり、これまでのグローバリズムから帝国主義時代に逆戻りし、この流れは留まらないと予測します。
「大国は帝国主義の動きとなり、小国はその狭間でうごめく」と書かれていることは、いまの米国の動きを見ても納得せざるを得ません。「どうすればいいか」の問いに、「答えは自分自身で見つけなければならない」という某氏の発言は、「ボォ~っと生きて」きた我々にも突き刺さる問いかと思いました。新書とは思えない重厚さで、売れているにはわけがあると納得の一冊です。
