『ファーストペンギン』 坪内 知佳 著
これは、面白いです。(富士急ハイランドほどではないものの)ジェット・コースター並みにアップダウンが激しくて、ほぼ一気読み。「日曜討論」に登壇していて、面白いことをする人がいるものだと思ったのですが、昨年、すでにTVドラマ化されて放映されたようです。
著者が、山口県萩市の漁師3人から1万円ずつをもらって、月給3万円でスタートした「船団丸」。捨てられていた魚を「三方よし」の直販モデルとして販売するも、荒くれ漁師たちを相手に悪戦苦闘。一方で支えてくれる仲間も現われ、やがて全国展開にまで広がるサクセス・ストーリー…と言えばカッコいいですが、地道な泥臭い(魚臭い)活動の連続。
いま、「スタートアップを!」をと騒がれていますが、既存のさまざまな壁を乗り越えていくには大変な情熱と信念がいるのだということがよくわかります。特に、本来、漁師を守る立場の漁協が最大の壁。漁獲量が減るなか、「漁師の生活を守るという本来の目的よりも、組織の存続が優先され」、(『砂糖の世界史』を読んだ後だっただけに)まるで漁協と漁師の関係は、支配国と植民地のような感覚を覚えました。
こうした話とは別に、漁業や魚とはどういったことかもよくわかりました。養殖ものはできれば避けて、有り難くいただこうと思います。
